掲載日 : [2008-11-14] 照会数 : 3798
◆読書◆「李明博自伝」
◆読書◆「李明博自伝」
神話などどこにもないと強調
もとは大阪で生まれた在日2世だった。4歳の時、家族とともに解放後の祖国に船で引き上げる途中、対馬沖合いで沈没し、雀の涙ほどの全財産すら藻屑と化した。祖国での再出発は、まったく先の見えない赤貧の中で始まった。
一介のサラリーマンから世界的企業・現代グループのナンバー2に上り詰めた前代未聞のスピード出世を、韓国では「神話の主人公」と呼び、テレビも波乱万丈の半生をドラマ化した。その主人公こそ現在の李明博大統領である。
どん底の生活を克服しながら苦学生となり、韓日会談反対デモによる投獄事実を理由に就職の道をふさがれながらも、時の大統領に直訴して自ら将来を切り開いた。持ち前の奮闘努力で立身出世を自ら呼び込み、社会人の鑑と称されるまでになった。
本書はおいたちから政界に身を転じるまでを綴った自伝で、95年に「神話はない」のタイトルで発刊され、韓国では50万部のベストセラーになった。日本では96年に「強者は迂回しない」というタイトルで出版されている。
このほど日本で文庫本に収録されるにあたり、李大統領は今日の私があるのは決して偶然ではなく、死にもの狂いの努力の結果、勝ち取ったものだと、「神話などどこにもない」ことを強調している。行間から粉骨砕身の日々の情景が飛び出し、胸を打つ。
(平井久志、全訳、新潮文庫667円+税)電話03(3266)5440
(2008.11.12 民団新聞)