掲載日 : [2003-03-12] 照会数 : 4746
今年も修了式民族学級 オリニの心育む学舎(03.03.12)
[ 大阪市立北中道小学校で行われた修了式にはオリニたちが韓服姿で出席した ]
ルーツ学び得た自信
仲間との交流に笑顔いっぱい
同胞のオリニたちが集まり、気兼ねなしに本名で呼び合い、韓国語や歴史、文化などを学びながら韓国人としての誇りを培っていく場所として民族学級がある。今月行われた民族学級の修了式では、のびのびとした環境で過ごしてきたオリニや父母から、民族学級で学べて良かったという肯定的な意見が多く聞かれた。
民族学級には在日同胞子弟が韓国語をはじめ歴史や地理、文化などを学ぶためのプログラムがある。ここではオリニたちが皆、のびのびと授業を受けているのが印象的だ。
大阪市立北中道小学校で6日に行われた民族学級修了式では修了生14人のオリニが、名前を呼ばれ元気よく「イェー」と元気な返事で壇上にあがった。
同学級担任の金徳美先生は「民族学級は、在日の子どもたち全員が自分のルーツや歴史、文化を学ぶことのできる場としてとても大切。まず初めは民族の名前を名乗り大事にすることから始まる」と話す。
修了生の崔笑美ちゃんは「韓国の名前を大切に、民族学級にきてウリナラが大好きになった」、金拓郎くんも「サッカーでへこたれなかった時、友達から『やっぱり朝鮮人やなあー』と言われて、『やっぱり』というのが気になってオモニに聞いたら、朝鮮人は根性があるということや、と言われてなんだかうれしくなった」。
尹利加ちゃんは「ウリナラの歴史の勉強が楽しかった。とくに名前についてのところを勉強して、本名を大事にしようと思った」、朴英宇くんは「テコンドーや歴史の勉強が思い出になった」と元気よく話す。
金桂子ちゃんのオモニは、「民族学級に入って、子どもも韓国人であることを自然と受け入れ、発表会が近づくと韓国の歌を口づさんだり、と楽しくしている姿によかったと思う」と、子どもの成長を嬉しそうに語った。
大阪生野区の大阪市立小路小学校(中野正春校長)に民族学級が開設されたのは1950年と歴史は長い。現在、1年から6年までの100余人のオリニが民族学級に通っている。
7日に行われた「民族学級・国際理解教育修了式」には、保護者や関係者が見守る中、6年のオリニ19人が修了した。式典でオリニたちは韓国の歌を韓国語と日本語で元気よく歌った。
民族学級後援会会長の梁允彰さん(34)はこの日、末娘を送り出した。3人の子どもは母親と同じ日本籍だがともに民族学級で学んだ。梁さん自身も民族学級OBだ。「家では正月も韓国式でしているが、子どもたちは韓国の文化に触れる機会が少ない。民族学級は必要」と話す。
通名で通わせている康朝恵さん(40)は「民族学級は民族の根を作るために大事」、高和子さん(43)も「民族学級は民族の素地を作るのに大切なところ」という。
今年の修了生の康綾馬さんは「韓国語や韓国の歴史、文化を学べたことがよかった」と話す。中学3年と中学1年の姉も民族学級に通ったという梁友恵さんは「昨年11月の学習発表会でプンムルをしたけれど、皆で力をあわせてできた事がとてもよかった」と、話す。
許舞香さんもプンムルのできに大満足の様子。金真由さんは「4年の時、ソンセンニムが指導にきて、チャンゴチュムを教えてもらった。皆でできたとき、うれしかった」と笑顔で話す。
民族講師の李貴子さんは「自分の名前を好きになった子どももいました。楽器でもウリマルでも知りたいという気持ちが大事」と話す。
民族学級でオリニたちは、誰にも遠慮することなく勉強や遊びを通して、韓国を身近な国としてとらえ、そして韓国人としての認識を高めながら自信を深めていく。全国で開設されている民族学級は、限られた地域にとどまっているのが現状だ。当時の1世たちがそうだったように、在日同胞社会全体が「自分たちの子どもたち」の問題ととらえ、ともに結集すれば大きな力を生み出すことが可能だろう。
■□
民族学級とは
民族学級の歴史は在日同胞社会の闘いの歴史でもあった。
同胞自身が自らの子どもたちに民族教育の場を取り戻そうと日本社会と闘った「4・24阪神教育闘争」。36年間におよぶ植民地支配によって奪われた母国語や民族の歴史。
1945年の民族解放を迎えた同胞社会が最初に取り組んだのが子どもたちに母国語を教えるための民族学校建設運動だった。
戦後の貧困にあえぐ状況の中でも1世たちは、その強い思いによって全国各地に600余の民族学校を開設した。
しかし、1948年1月、「朝鮮人学校」を無認可校と認定した文部省学校教育局長名義の通達「朝鮮人学校の取り扱いについて」が出され、都道府県は民族学校を強制的に閉鎖しようとした。
同胞社会は粘り強い交渉を繰り広げるが4月以降、実力行使による強制閉鎖は大きな衝突へとつながり、大阪、兵庫では、連日府庁や県庁前に同胞たちが押し寄せ、強制閉鎖の撤回を求めた。
同年6月、文部省と同胞代表で構成される朝鮮人教育対策委員会が、同胞子弟が課外時間に民族教育を受けられるとする内容の覚書を交わし、日本政府は公立学校に民族学級の設置を認めた。
現在、全国公立小・中学校で民族学級が開設されているのは、大阪府内で約180校、愛知2校、福岡3校になる。