掲載日 : [2009-02-04] 照会数 : 3991
<読書>韓国ワーキングプア…88万ウォン世代
<読書>韓国ワーキングプア…88万ウォン世代
雇用なくして安定もなし
「100年に一度の経済不況」という言葉が語られ、日本では「派遣切り」が社会問題化している。「明日はわが身」という気分が社会に蔓延し、09年は始まりから暗い世相の様相を帯びている。
一方、韓国は非正規雇用問題の深刻さでは日本の上をいくようだ。韓国の事態を「対岸の火事にしないように」というメッセージが、本書を通じて日本にも送られることになった。08年末現在、本書は約10万部を売り、ベストセラーになっている。マスコミにも取り上げられたことで、若者を取り巻く貧困や就職難が社会的な関心を呼び起こした。
本書によると、非正規職800万人のうち、20代の月給は、手取りで平均88万〓(日本円で6万円)だと算出されている。国民所得2万㌦の時代に、この低額は一体何なのだ。著者である経済学者の驚きが、そのままタイトルになった。このままでは20代の95%が非正規雇用になっていくと予測する。
「南南葛藤」に加え、世代間対立の危機はすでに始まっているのである。
「絶望の時代に向けた希望の経済学」と副題にある。李明博大統領が大統領選挙の公約に掲げた雇用拡大が、目に見えて達成される日が一日も早く来るように、若者の就職についての不満が、韓国社会のアキレス腱にならぬようにと願う心切である。
(禹晢熏・朴権一著、明石書店2000円+税)
TEL 03(5818)1171
(2009.2.4 民団新聞)