掲載日 : [2009-05-13] 照会数 : 5198
<兵庫県>老齢福祉年金と同額に 在日外国籍無年金高齢者への給付金
各市と共同 来年度実現へ
【兵庫】兵庫県は今年度から、在日外国籍の無年金者に支給している高齢者福祉給付金を引き上げた。来年度には県内各市の実施額と合わせた支給額を、老齢福祉年金の水準額と同等にすることも明らかにした。兵庫はもともと県と市の共同事業として、老齢福祉年金と同等の支給額をめざしていた。各市はすでに2007年度から2分の1の金額を完全実施済み。
月額3万3800円
老齢福祉年金は61年の国民年金発足当時、すでに高齢で拠出年金を受けるための受給資格期間を満たせない人たちに支給されている。金額は月額3万3800円余り(年間40万5800円)。兵庫県は外国籍の無年金者に対しても日本人と同等の給付水準になるよう、98年度に制度を創設した。しかし、すでに完全実施の各市に比べ、県だけが予算措置が遅れていた。
県は、在日外国籍の無年金高齢者への福祉給付金1万4500円(月額)に今年度から1200円上乗せし、1万5700円(同)とした。老齢福祉年金の2分の1水準にはまだ1212円届かないが、これは2010年度に実現するという。予算は今年83歳以上の対象者747人で積算されている。
しかし、県の制度創設時、外国籍の福祉給付金の受給者は2004人だったという。このため、民団兵庫本部・支部などと共闘、県と各市に長年にわたって「老齢福祉年金の代替措置」として完全実施を求めてきた市民団体「障害年金の国籍条項を撤廃させる会」(佐藤耕壽代表、神戸市)からは、「すでに亡くなられた方への給付金を分配しているだけ」といった一部、冷めた声も。
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障害者では課題
民団が後続措置を要望
兵庫県は、重度の障害を負う在日外国籍の無年金者に対する福祉給付金についても09年度から月額2400円引き上げ、3万1400円の支給を始めた。県との共同事業として各市とも障害基礎年金1級の2分の1にあたる4万1254円を支給しているため、合計で7万2654円となった。受給対象者は今年47歳以上の114人。
「障害基礎年金の国籍条項を撤廃させる会」では障害基礎年金1級該当者に支給している障害者福祉給付金、月額8万2518円の達成をめざし、引き続き残り9864円の増額を求める。
なお、障害基礎年金2級に該当する在日外国籍の無年金者に対しては各市が障害基礎年金2級相当の2分の1にあたる月額3万3004円を支給しているが、県は予算措置をとらなかった。
同会の追及に対して県の当局者は、「本来は国のするべきことであるという意見や、県独自で行っている福祉給付金は重度障害者のみであり、それと同じでよいという意見に抗しきれなかった」と釈明している。
民団兵庫県本部(車得龍団長)は8日、兵庫県庁に井戸敏三知事を表敬訪問し、無年金の在日外国人高齢者と障害者に対する福祉給付金措置への取り組みをあらためて求めた。
車団長が「白永煕前団長から受けついでいる。今後ともよろしく」と念押ししたのに対し、井戸知事も対処を約束した。 朴勝庸議長、崔相俊監察委員長、金相英事務局長が同席した。
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取り組み団体に総領事が感謝状
駐神戸総領事館の李庚煥総領事は、「兵庫県居住の在日韓国人高齢者ならびに障害者の福利厚生と人権改善に大いに寄与した」としてこのほど、「障害年金の国籍条項を撤廃させる会」の佐藤代表に感謝状を贈った。
(2009.5.13 民団新聞)