掲載日 : [2009-08-26] 照会数 : 4127
布施辰治の歩みを映画化 来年3月完成
差別と迫害に苦しむ弱者を弁護
権力とは対極にある弱者の側に身を置き、国籍を問わず差別と迫害に苦しむ人たちを弁護してきた布施辰治の生涯が、長編ドキュメンタリー映画となってよみがえる。タイトル(仮題)は「怒りを胸にふり返れ‐弁護士 布施辰治」(池田博穂監督・脚本、90分)。
映画化にあたっては、日本の法曹関係者や布施弁護士の母校である明治大学の教員、在日同胞らが発起人会を構成した。製作委員会代表は日弁連会長を歴任した阿部三郎弁護士。韓日両国でロケし、来年3月の完成試写をめざす。
池田監督は2年前、布施弁護士が足尾鉱毒事件の被害者救済に努力した田中正造の生き様が弁護士を志す動機になったとの話に心を動かされ、映画化を思い描いてきた。布施辰治に関する資料を調べ、研究していくうちに映画化への思いを強めていった。
阿部弁護士は「来年は日本人にとって負の遺産ともいうべき韓国併合から100年を迎える。布施辰治の歩みを顕彰することで、われわれのあるべき決意を示す道しるべとしたい」と語った。
製作資金は約5200万円の予定。1口5万円の「出資金」と同1万円の「協賛金」を募り、まかなうことにしている。映画が完成すれば全国400カ所で上映運動を成功させ、その収益をもとに2年後から順次返済していく方針。
問い合わせは同製作委員会、および製作管理委員会事務所(℡03・5840・9361)。
布施辰治弁護士
1880年、宮城県牡鹿郡虻田村生まれ。明治大学の前身である明治法律学校卒。宇都宮地裁検事代理を経て、弁護士に。1919年の2・8独立運動の際には、出版法違反で検挙された留学生6人を無報酬で弁護。関東大震災時の朝鮮人虐殺では、事件の真相究明に奔走した社会運動家としての顔も持つ。日本の敗戦後は密造酒づくりで酒税法違反に問われた多くの在日同胞を弁護してきた。没後の04年、日本人として初めて韓国建国勲章「愛族章」を贈られた。
(2009.8.26 民団新聞)