掲載日 : [2009-09-16] 照会数 : 5994
懐かしの故郷歌で届ける 金蓮子さん多磨全生園慰問公演
[ 客席の中で歌うキム・ヨンジャさん ]
同胞互助会依頼受け
歌手のキム・ヨンジャ(金蓮子)さんが8日、国立ハンセン病療養所多磨全生園(東京都東村山市)を慰問し、聴衆約400人を前に公演した。園内で残り少ない余生を送る韓国人約30人で構成する「互助会」(金奉玉会長)が、療養所の設置100周年の節目にとキムさんの所属する音楽事務所、千秋企画に手紙で依頼、意気に感じた社長の金好植さんが応えた。
園内の公会堂「コミュニテイーホール」は客席が足りなくなり、400人で埋まった。健康が優れず、会場まで足を運べなかった人たちはベッドの上で館内放送に耳を傾けた。
キムさんは鮮やかな黄色いチョゴリで登場。「釜山港へ帰れ」や「ああ上野駅」など、「故郷」にちなんだ韓国と日本のよく知られた名曲を中心に熱唱した。これは、ハンセン病への根強い偏見から、すでに病気から回復したいまも生まれ故郷に帰れないでいる多くの療養者たちの気持ちをおもんばかってのものだった。
客席に同胞を見つけると、ステージを降りて自ら足を運び、マイクを向けた。会場から予定になかった「木浦の涙」をリクエストされると、戸惑いながらも伴奏なしでワンコーラスを歌った。約90分の公演では自身のヒット曲ばかりか、美空ひばりの持ち歌も入れるなど、本格的な舞台となった。
キムさんを招請した「互助会」のある役員は、「来てくれるとは思わなかった。せいぜいカラオケで数曲歌ってくれるだけだけでもありがたいと思っていた」というだけに、リハーサルで本格的な公演を見たときは「涙が出た」という。生のオーケストラ、照明、音響、舞台装置などスタッフは総勢35人。金社長は「やるからには本物のショーを見せたかった」と話していた。
(2009.9.16 民団新聞)