掲載日 : [2009-10-15] 照会数 : 3656
〞母校を輝かした〟 金泉中が「陳昌鉉奨学会」設立
[ 陳昌鉉さん ]
世界的なバイオリン製作者、陳昌鉉さん(80、東京都調布市)の名を冠した奨学会が陳さんの母校、慶尚北道梨川の金泉中学校(黄成一校長)に誕生した。「梨川陳昌鉉奨学金」として成績優秀ながら家庭的に恵まれない在校生に支給される。 金泉中学校は今年、創立80周年を迎えた。同校がこのほど発刊した『記念誌』によれば、卒業生は歴代の国務総理、外務部長官、大統領秘書室長など多彩。陳さんは卒業こそしていないが、「母校を輝かした」一人として記念誌を飾っていた。感激した陳さんは、学校側の要請した自らの名を冠した奨学会の設立に同意。9月に2500万ウォンを「学校発展基金」として送金した。
同校の狙いは、陳さんの名前を称え、永遠に後輩たちに語り継ぐこと。同校でも社会的に成功した卒業生が奨学基金をつくり、後輩のために支給する例は珍しくないが、陳さんのような「海外在住の職人が指先をすり減らしてつくった奨学会」は初めてだという。
陳さんは同校在学中に父を失ってから経済的に苦しくなり、学業半ばで渡日。名器「ストラディバリウス」の復元に独学で挑み、アメリカ建国200周年を記念する国際バイオリン・ビオラ・セロ製作コンクールで音響と製作の6種目中5種目で金メダルを受賞。陳さんの製作した楽器は一夜にして25倍に高騰した。
陳さんはこれまで、里帰りのたびにひっそり母校を訪れては、そばを流れる洛東江の土を一握り日本に持ち帰り、偲んできた。それだけに「母校は私を見捨てていなかった」と、記念誌を胸に感激に浸っている。
(2009.10.14 民団新聞)