掲載日 : [2003-07-30] 照会数 : 2673
<広場>バレエ「沈清伝」を見て 朴春江(神戸市)
先日、知人の方から勧められ、韓国のバレエ「沈清伝」を見ました。韓国の古典とバレエ?どうしても頭の中でイメージがつながらないまま、幕が上がりました。
「沈清伝」は孝行娘が目の見えない父を助けながら、けなげに生き、ついには幸せを手にするという有名なお話。バレエなるものを見るのも初めてということもあり、初めからその素晴らしい世界にぐいぐい引き込まれました。
そして、あっという間に物語はめでたしめでたしで終演へ。孝行娘のおかげで、目が見えるようになった父。彼の体全体からにじみ出る至福、喜びをどう言葉に表せばいのでしょう?ぐっと胸に迫るものがありました。
いつまでたっても鳴りやまない拍手の中、小さな沈清が客席と父に大礼をする姿を目で追いながら、私はずっと自分の父のことを考えていました。
12歳で単身日本に来て、大変な苦労の中で働きづめに働き、私達4姉妹を育ててくれた父。
今は少し体をこわしていますが、これからは体を大切に、ゆったりと毎日を過ごしてほしい。沈清ほどの親孝行はできないけれど、いつの日かあの舞台で観た沈清の父のように、幸せを全身で感じるような日が来てほしい。家路につきながらそんなことを祈りました。
(2003.7.30 民団新聞)