掲載日 : [2003-11-19] 照会数 : 3799
口承伝統芸能・パンソリ 人類の無形遺産傑作に(03.11.19)
ユネスコが選定…韓国では2番目
韓国の伝統文化であるパンソリ(語り口伝歌謡)が、ユネスコが選定する人類口承および無形遺産傑作に選ばれた。韓国では01年5月に選定された重要無形文化財第56号と第1号である種苗祭礼および宗廟祭礼楽に次いで2番目となった。
ユネスコは7日、フランスのパリ本部で韓国の重要無形文化財第5号として認定されてるパンソリなど28件の世界無形文化遺産を第2回人類口承および無形遺産傑作として選定した。
第2回人類遺産傑作は、18人の世界的な権威者で構成された国際審査委員団がユネスコ会員国が推薦した56件を審査して選定した。
情感豊かに喜怒哀楽…春香歌など古典の名場面歌いあげる
完唱8時間の演目も世界的に評価高まる
パンソリは、鼓手の太鼓に合わせて唱者が物語を歌い上げる韓国の口承伝統芸能で、西洋にはない韓国独特の声楽。身ぶり手ぶり豊かに様々な物語を歌い上げる唱者と、語りのリズムを取る鼓手の間の手ですすめられる。
約200年に始まったパンソリは、19世紀初頭に宋興祿や牟興甲のような伝説的な名唱が登場して急速に発展した。名唱といわれる名人は、思いのままに聴衆を湧かせ泣かせたという。王の前でも公演し、牟興甲は第24代王の憲宗から、宋興祿は哲宗から位を授けられほど、破格の扱いがされた。当時の両班(ヤンバン、貴族階級)は先を争って名唱を呼んで歌わせたという。
完唱するのに最高8時間もかかる演目もあり、ストーリー性豊かな物語は、家族の忠誠心や生き別れ、愛をテーマにしたものが多い。
パンソリは時代にしたがって多様になり、地域によって微妙に変化しながら伝承されてきた。パンソリの流派とでもいえるような区分を「制」と呼ぶ。日本でも上映されて有名になった西便制をはじめ東便制、中高制に区分されている。それぞれに音楽的な特徴がある。
東便制は、全羅北道から始まり、全羅南道を経て南海に流れて行く島進江を中心にして,その東の運棒,求禮,淳昌と同じ所で伝承された歌で,宋興緑を始祖としている。全般に技巧が少なく勇壮なパンソリとなっている。
西便制は、島進江の西の光州、羅州、寶城と同じ所で伝承され、朴流轉を始祖としている。東と反対に女性らしく、技巧をふんだんに使いながら悲しく歌い上げるのが特徴とされている。
また、中高制は京畿道と忠清道で伝承され、金性玉らから始まったが、現在は途切れてしまったという。
パンソリは、もともと12編あったが、現在まで歌い継がれてきたのは、春香歌、沈清歌、興夫歌、水宮歌、赤壁歌の5編だけとなっている。春香歌は有名な春香伝を題材にしたもので、「春香の愛」など4場で構成されている。ほかにも、沈清伝など古典の名場面を情感豊に歌っている。
近年は、世界各国でも評価が高く、今年7月には英国の公演フェスティバル「エディンバラ・フェスティバル」にも正式招待されている。
(2003.11.19 民団新聞)