掲載日 : [2004-04-30] 照会数 : 2764
在日高齢者に「老齢年金」を 大阪に次ぎ京都でも提訴へ(04.4.28)
【京都】京都在住で無年金の在日同胞が老齢年金の給付を求めて7月にも日本国を相手取り京都地裁に提訴することになった。在日同胞高齢者が年金の不支給をめぐって国の責任を問うのは大阪に次いでこれが2例目。
提訴の準備を進めているのは、京都在住の「旧植民地出身高齢者の年金補償裁判を支える全国連絡会」加盟のメンバー。26日、市内で「支える会京都」を発足させることを確認、提訴に向けて本格的な準備に入った。
同連絡会は03年11月の発足当初から「旧植民地出身者の年金補償裁判」を大阪から全国各地へ広げようと加盟団体に呼びかけてきた。京都での訴訟はこれに応えたもの。
原告予定者は26日までにまず4人が確定した。「支える会京都」準備会によれば人数は今後ともにさらに増えそうだと話している。弁護団は京都で在日同胞無年金障害者の訴訟を支えてきたメンバーらが担う。
原告予定者の1人で京都市内に住むあるハルモニは、90年代初頭から京都市長に宛て何通も年金支給を訴える手紙を送り続けてきた。ハルモニの窮状を心配した周囲の住人は生活保護の申請を勧めてきたが、「年金を受け取るまで生活保護だけは受けたくない」と、体調を崩す昨年夏まで頑なに拒否してきたという。
「支える会京都」準備会では訴状作りのため、5月から6月にかけて原告予定者から聞き取り作業を行う。6月には訴状を完成し、7月にも京都地裁に提訴する方針。
同会の鄭明愛さんは、「原告団に加わってくれる1世は、私たちから税金をとりながらなんの補償もしない日本政府に抗議したい、訴えたいというその一心からです」と話している。
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「老齢年金」とは
61年からスタートした国民年金の一種。20歳以上60歳未満を被保険者とし、60歳までに25年以上納付すると65歳から受給できる。
在日同胞は82年から国民年金制度に加入できるようになったが、25年間もの間、掛け金を支払うには35歳から加入しないと間に合わない。すなわち82年4月1日現在、35歳を超えていた在日外国人は老齢年金を受け取れず、加入のメリットがなかった。
一方、日本人については35歳以上は保険料納付期間が不足するため、50歳以下の者は納付期間を短縮し、50歳を超える者には70歳からは無拠出の老齢福祉年金を支給している。
その後、老齢年金は86年4月1日からの基礎年金制度の導入で老齢基礎年金とあらためられた。「カラ期間」による経過措置もとられたが、新法施行日において60歳以上の在日外国人については未加入期間について「カラ期間」として合算しない措置をとり、老齢基礎年金はもとより老齢福祉年金からも実質的に排除した。
(2004.4.28 民団新聞)