掲載日 : [2006-03-01] 照会数 : 7876
韓国ショートトラック なぜ強い
[ コーナーベルトを結び選手とコーチ一体の特訓 ]
合理的な特訓の成果
体力を培い走法・エッジを工夫
第20回冬季五輪トリノ大会で、韓国勢はスケートで金6、銀3、銅2のメダルを獲得。うち10個はショートトラックで、この種目での韓国の圧倒的な強さを世界に示した。
男子では安賢洙選手(21、韓国体育大)が、1000㍍、1500㍍、5000㍍リレー、女子では陳善有選手(17、高校2年)が、1000㍍、1500㍍、3000㍍リレーでいずれも金を独占。男女とも韓国初の五輪3冠王になった。
韓国勢の驚異的な強さに、海外メディアも秘法を探ろうと躍起になっているが、その答えは練習にある。代表チームの選手はオフシーズンの夏でも泰陵選手村で、器具を使用した体力トレーニングのほか、陸上トラックの練習なども消化する。練習時間は1日10時間におよぶ。選手たちは今季五輪で、これまでのように内側コースに食い込む走法ではなく、外側から大きな円を描きながら追い抜く新しいルートを開発した。この動きには体に大きな圧力がかかるが、選手たちは特訓を重ねてクリアした。
世界が驚いたこの作戦を成功に導いたのは、「コーナーベルト」の練習にある。指導者が引くベルトを腰にかけて選手たちはコーナーを回る訓練を積んだ。バランス感覚を高めるのに有効で、状況によって片足を利用して内側のコーナーを回るか、両足を交互に動かしながら外側を行くか、自由に決定できる。
このほか、スケートのエッジ(歯)の最適曲線率を科学的に計算し、歯がやや右側に傾いたスケートを履くようにしたことにより、コーナーリングでのスピードを飛躍的に向上させることに成功。また、体育科学研究院の映像分析を通じてスタートの際の無駄を省いたのも、韓国ショートトラックを強くした要因の一つでもある。
いずれにしても強行スケジュールに耐えられるのは、男子の場合、五輪のメダル獲得かアジア大会優勝で、原則として兵役免除の特権を与えられることもあるからだ。安選手はすでに兵役を免除されており、韓国での報道によると、3冠王を獲得した安選手は1億6000万ウォン(約1900万円)の報奨金を得られるという。
韓国では現在、ショートトラックの人気をにらみ、多くの投資も行われている。三星スポーツ団の朴聖仁団長が氷上連盟会長に就任し、年間8億ウォンの予算を代表チームに投資。毎年、W杯シリーズの全大会や世界選手権、年間30〜40日にのぼる現地トレーニンがスムーズに行えるようサポートしている。
(2006.3.1 民団新聞)