掲載日 : [2003-01-01] 照会数 : 3479
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同胞経済活動にも関心
若い世代への〞責任〟痛感
甲南大学経済学部教授
韓国の通貨危機を研究
高龍秀さん
「自分は高先生と同じ在日韓国人です。日本名を使っていますが、本名は○○○です」
大学に就職して1年目の最初のゼミで、高龍秀教授(当時専任講師)が自己紹介した後、学生らが順次自己紹介した時のことだ。日本名だったが在日同胞が2人いた。彼らとは、今でも非常に仲良くし、会ったりしている。それが喜びでもある、という。
この10年ぐらいで在日同胞の大学教員が増えている。「自分が大学生の時は、同胞の先生はいなかった。在日同胞学生らにいい刺激になるのでは。ある意味では責任が重大。一生懸命仕事せんと」との思いは変わらない。下の世代に対する責任みたいなものを感じる。
大阪生まれの大阪育ちだ。大学では経済学を専攻、同胞の先輩に韓国の言葉や歴史を教わり、自分のルーツや自分は何者なのかを考え、わかるようになった。大学院に入り、韓国の経済をさらに勉強、当時院生だった先輩の金早雪さん(現在、信州大学教授)からいろいろ教えてもらったという。修士論文は「韓国における財閥の資本蓄積について」。
97年の韓国の経済・通貨危機に関してまとめ、2000年2月に『韓国の経済システム』と題して出版されたが、この5年ほどは、通貨危機がなぜ起こり、その後どのような変化が起きているのかを研究テーマにしている。韓国の金融と財閥問題が今の関心事だ。
学内では、同胞学生のサークル「韓国文化研究会」の実質的な顧問をしている。同胞学生の入学ウェルカムパーティをゼミの部屋で行ったり、大学と協力して同胞在校生との接点をもち、彼らのプラスになればと、民団大阪と兵庫の公務員受験セミナーや、学生時代に世話になった朝鮮奨学会の紹介なども。
民団の「民族大学」の講師も担当、「在日」の若い世代のため2000年に民団大阪と兵庫が主催した公務員受験セミナーでは、青年会などと協力、コーディネーター役を務めた。
また、兵庫韓国商工会議所の依頼による神戸長田の同胞ケミカルシューズ産業に関する調査(99〜01年)の中心となり、報告会をかねたシンポジウムにも積極的に関与。それ以来、同商工会議所とは定期的に会合を持ち、若手経営者らとの勉強会を続けている。
同胞社会の行方、特に若い世代の育成に強い関心を持っており、3世・4世のためのサービスや事業に、民団はもっと持続的に力を注いでほしい、と望んでいる。
■プロフィール■
1960年、大阪市生まれ。大阪府立大卒業、大阪市立大大学院博士課程修了、91年4月に甲南大学経済学部専任講師、94年4月助教授、00年4月教授に。01年8月〜02年8月ハワイ大学各員研究員。主要著作に『韓国の経済システム』(東洋経済新報社)
(2003.01.01 民団新聞)