掲載日 : [2007-05-30] 照会数 : 3808
問題点を浮き彫り 在日韓人資料館特別企画展「BC級元戦犯」
[ 特別企画展の展示物について説明する李鶴来「同進会」会長(左から2人目) ]
在日韓人歴史資料館(韓国中央会館別館)で27日から特別企画展「1世たちの戦争−韓国・朝鮮人元BC級戦犯問題」が始まった。今回の企画展では第2次大戦中に連合軍俘虜の監視業務にあたったために解放後、旧日本軍が負うべき俘虜虐待の罪を肩代わりさせられた同胞1世の辛酸の歴史を整理した。
展示資料は写真パネルなど28点と当時の裁判記録、刑死者の遺書、引き揚げ証明書など合わせて50点余り。植民地下での徴用から戦犯とされた経緯、スガモプリズン出所後の孤独と苦悩、互助会「同進会」の結成と補償請求運動などを時系列でたどり、いまも残された問題の所在を浮き彫りにした。
今回の特別展示は資料館が昨年、同進会から段ボール箱約40箱分にのぼる資料が寄託されたことで実現した。これら資料類の整理には学生会と日本人の学生ボランティアがあたった。この中には裁判所に証拠資料として提出され、一般には未公開の貴重な資料も多数含まれている。
たとえば、当時の下村定陸軍大臣が南方の各俘虜収容所に発信した「通達」もその一つ。通達によると「正当な俘虜管理政策が行き届かなかったのは半島や台湾から徴用した軍属傭人の資質が劣るからと答えるよう」指示している。
興味深いのは同胞元BC級戦犯の引き揚げがスガモプリズン出所をもって終わったこと。金完根氏が渡された引き揚げ証明書を見ると、わずか800円の交通費を持たされて身内のまったくいない異国に放り出された。
27日のオープニング・セレモニーには同進会から李鶴来会長と支援団体関係者、学生ボランティアの代表などが駆けつけた。「応援する会」代表の内海愛子さんは「資料館で展示できるのは画期的」と喜んだ。
なお、同進会と支援の会では韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題の理解を深めてもらうため7月から連続セミナーを企画している。
(2007.5.30 民団新聞)