掲載日 : [2007-09-05] 照会数 : 4020
布施辰治の業績再照明 朝鮮人民衆とともに生きた人権弁護士
[ 企画責任者の樋口雄一さん ]
高麗博物館「企画展」 静かな反響
「在日との共存の見本に」
植民地下の韓国では独立を訴える民衆を身を賭して弁護し、解放後も在日韓国・朝鮮人など社会的弱者の権益を守るために生涯を捧げた人権弁護士、布施辰治の軌跡を顕彰する「企画展」が東京・新宿の高麗博物館で開かれている。
展示品は布施辰治の韓国・朝鮮との関わりに限って26枚にまとめたパネルが中心。目立つのは解放直後の混乱期、生計のためどぶろくの密造に関わり、検挙された同胞に関する膨大な弁護資料の数々だ。また、在日韓国居留民団の創団に関わった当時の役員の弁護にも積極的に関わったことでも知られている。関東大震災のさなかに知り合ったとされる朴烈初代団長に関する資料も多い。
これらの資料は樋口雄一さんを中心とする研究者らが制作委員会を構成、布施辰治が生まれ育った宮城県石巻市などに住む親族や石巻文化センター、母校の明治大学、韓国羅州市役所などから集め、1年近くかけて準備した。布施辰治が法廷で着用した法服(復元したもの)や、04年に韓国政府から日本人としては初めて贈られた建国勲章も展示している。
館内備え付けのノートには、「戦中・戦後、朝鮮人のために尽くした人がいたかと思うと感動した」「日本の戦前にも気骨のある人がいたと知って気持ちが高揚する」といった感想が見られた。企画責任者の樋口雄一さんは「あの大変な時代に朝鮮人と連帯した日本人がいたことを知ってほしい。日本人がこれからも『在日』と共存していかなければならないことを考えさせるいい見本になる」と話している。
8日午後2時からは作家の高史明さんが「布施辰治と在日朝鮮人の私」と題して高麗博物館前の新宿西教会で記念講演を行う。企画展は10月21日(午後12〜5時)まで。入館料400円。
問い合わせは℡・FAXとも03・5272・3510。
(2007.9.5 民団新聞)