掲載日 : [2007-09-12] 照会数 : 3829
米子−ソウル 山陰初の国際定期航空路線休止の危機
[ 米子空港で離陸を待つアシアナ航空機 ]
独島問題で搭乗率低迷
民団鳥取「行政間の交渉急げ」
【鳥取】山陰初の国際定期航空路線として01年4月に華々しく就航した米子‐ソウル便が、休止の危機に直面している。定期便を就航しているアシアナ航空によれば、一時は74%あった搭乗率も今年は7月までに48・1%と大幅に落ち込んだ。このままでは月間1000万円以上の赤字が出る計算だという。民団関係者からは、搭乗率の回復のためにも、独島問題で中断している行政間交渉の再開を急ぐべきだとの声が強い。
アシアナ航空 累積赤字4億円超す
米子‐ソウル間の搭乗率は01年7月、86・1%と月間最高を記録している。米国での9・11テロ以降も客足は衰えず、02年12月には年間乗降者数が3万人を突破した。その後、02年以降はSARSや鳥インフルエンザなどで落ち込んだものの、韓流の追い風を受けて04年には年間搭乗客数3万4723人と過去最高を記録した。ヨン様が現れた?と米子空港が騒然となったのもこの年。
しかし、島根県議会が「竹島の日」を制定した05年からは韓国と山陰地方の交流が途絶え、搭乗率は低迷している。05年は過去最低の2万9929人(搭乗率52・6%)、06年が3万2031人(55・5%)だった。その後も、琴浦町での日韓友好碑からの碑文削除が明らかとなったばかり。今年に入って、アシアナ航空は米子‐ソウル便の累積赤字が4億円を超える見込みだとして休止方針を打ち出した。
対照的にソウルから米子の韓日路線は、01年17・9%だったのが昨年度は38・4%、今年6月以降は5割を超える勢い。これはウォン高で割安感があることから、山陰地区でゴルフと温泉を楽しもうという一部の富裕層に人気があるため。
アシアナ航空の休止方針に危機感を持った鳥取県と島根県からは8月28日、平井伸治鳥取県知事らによる要請団がソウルのアシアナ本社を訪れ、半年間、目標搭乗率70%を下回った場合に1席当たり9000円の保証金を支払うとした。この場合、県の持ち出しは4942万円と試算される。
アシアナ側も、両県関係者ばかりか、鳥取県と友好関係を結ぶ江原道知事からも働きかけがあったと明かしながら「ひとまず保留」を伝えたが、事実上は「運行休止を半年後に伸ばしたに過ぎない」ともいう。
民団鳥取県本部の薛幸夫団長は「独島領有権問題が表面化した後、自治体交流が一部で中断した。その後も琴浦町の碑文削除問題など行政が冷水を浴びせて足を引っ張るケースもあった。韓日交流がこのような行政上の形で阻害されれば民間がいくら頑張っても利用率が落ちるのは当然のこと」と指摘、「平井伸治鳥取県知事自ら江原道を訪問して中断している行政間交流を再開すべきだ」と提案している。
(2007.9.12 民団新聞)