掲載日 : [2007-09-26] 照会数 : 4656
日・仏文化交流在日3世に託す 兵庫県国際交流協

「日本文化教師」に任命
【兵庫】財団法人兵庫県国際交流協会(略称、HIA)は、同協会と友好交流関係にあるフランスのセーヌ・エ・マルヌ県に10月から派遣する今年度の日本文化教師にこのほど、在日3世の金美和さん(25)=兵庫県三木市在住=を選んだ。これは兵庫県とセーヌ・エ・マルヌ県との人物交流の一環。兵庫県からの日本文化教師に在日が選ばれたのは初めて。
「同胞の視点大切に」10月から
金さんは「自分の語学力を試してみたい」と、軽い気持ちで応募した。応募者10人の中から1次試験と2次の面接を経て6月、金さんの採用が決まった。
金さんは「私はラッキーだった。日本に住んでいる外国人の立場で、在日という、韓国と日本の両方の立場から見えてくる日本文化を教えることができたら」と話す。これに対して、兵庫県国際交流協会の会長を務める井戸敏三県知事は「県の国際交流にぜひ頑張ってほしい」とエールをおくっている。
フランスではセーヌ・エ・マルヌ県の大学で日本語や日本文化を補助的に教え、経済振興公社や観光局に協力して兵庫県および日本との交流促進の助言・支援にあたる。
近隣のパリ市は地区ごとに多様な人種が混在している都市。金さんが大学で教えることになる生徒の国籍も様々だ。正直、「自分にできるのかな」という不安はあるが、そこは前向きで、打たれづよい性格。金さんは「あたって砕けろ精神、韓国人のバイタリティーでアタックする」と笑った。
フランス語は関西外国語大学在学中、第2外国語として学んだ。金さんは学べば学ぶほど「フランス語の響きに魅了された」。卒業後もフランス語の翻訳関係の仕事に就いていた。日本文化教師に決まってからは3カ月間専門学校に通い、日本語の文法の基礎を勉強しなおした。
これまでは自らの国籍を特に意識することなく育ったが、大学生になって民団の春季学校に参加して変わった。初めて見る韓国。現地の人たちの温かい心に触れ、自分が韓国人であることに誇りを持ったという。
金さんはいま、「自分が生まれてきたルーツを知ることの大切さを感じている。自分が韓国人でよかった」としみじみと語った。来年6月に任期を終えて、フランスから帰日したら韓国語習得に挑戦したいという。
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セーヌ・エ・マルヌ県
パリ市を中心に7県からなる広域行政地域圏であるイル・ド・フランス地方所属。兵庫県国際交流協会とは91年から友好交流を促進し、相互理解を深めるために人物交流を続けている。日本文化教師を受け入れるかわりに、セーヌ・エ・マルヌ県側は日本式経営と先端技術を学ぶ企業研修生を送り出している。
(2007.9.26 民団新聞)