掲載日 : [2008-02-06] 照会数 : 3967
<読書>二本指のピアニスト 母が語った奇跡の真実
85年、釜山の病院で生まれたイ・ヒア(李喜芽)は、先天性障害のため、両手の指が2本ずつ、足は膝までしかない。出産後、著者である母は娘に会わせてもらえなかった。夫の家族が養子に出すことを決めていたからである。
姑らの不在の隙に娘を一目見て、拒絶する女医に無理に頼み込んで誓約書を書いて退院。娘を連れ出して、すぐさま空港へとタクシーを飛ばした。新生児は飛行機には乗せられないというのを、ここでも拝み倒して誓約書を残してソウルへと帰った。無我夢中だった。
事故がもとで下半身不随の障害者になった夫は自らの経験も踏まえて「福祉の整った先進国に送ることがいい」と娘を手放すように準備を進めていた。カトリック信者の母は、藁をもつかむ気持で神に祈りを捧げた。すると声が聞こえてきたという。「姿が違うからといって軽んじてはいけない」。この瞬間に母と娘の二人三脚の人生が決まった。夫も理解を示した。
数字を理解することができず、音符も読めないヒアに母は、5歳からピアノを習わせた。才能がないと言われても諦めなかった。1日10時間以上、5年間ずっと練習し続け、ショパンの『幻想即興曲』が弾けるようになったヒアは、韓国内だけでなく世界で演奏活動を続けている。感動的な実話である。
(ウ・カプスン著、新潮社1400円+税)
℡03(3266)5611
(2008.2.6 民団新聞)