掲載日 : [2008-02-06] 照会数 : 4031
<読書>すべては夜明け前から始まる 実質主義の新大統領
2月25日に就任する李明博次期大統領に、元東亜日報記者の著者がロングインタビューし、本人の肉声を生々しく伝えるために、一人称形式の文体でまとめている。
副題は「李明博の心の軌跡」。大統領の座を射止めることができたのは、3人のCEO(最高経営責任者)のおかげと吐露している。3人とは両親、中学校の時の担任、現代グループの故鄭周永会長を指す。
大学時代、韓日会談反対闘争デモの先頭に立ったことを理由に拘束され、刑務所に入れられた。「信じた道を進みなさい」と息子を諭した母。貧困という絶望の環境から抜け出したい一心で実行しようとした中学時代の家出は、毎日早朝から聞こえてくる母の祈りで気持ちが和らぎ、未遂に終わった。自分には愛する家族がいることを悟り、傷ついた心が癒されていった。
成績優秀な次兄の学費をかせぐために、自らは高校進学を諦めざるを得ない状況の中で、3年間、明博少年を叱り続けた担任が母を説得し、受験の道を切り開いてくれたことで人生に転機が訪れた。
事業では陽の目を見なかった父だったが、「貧しさは人生を苦しくするが、物乞いの根性をもってはいけない」と人としての道理を教えた。
今日の成功をもたらした数々の断片が、読者の血肉になるだろう。
(李和馥著、現文メディア1600円+税)
℡03(6413)7691
(2008.2.6 民団新聞)