掲載日 : [2008-03-12] 照会数 : 3458
国民統合へ民意も追い風 建国60周年世論調査に見る
[ セマウル運動支援の一環として母国で植樹に取り組む民団派遣のセマウムシムキ青年奉仕団の人たち=1973年 ]
韓国最大の業績 「産業化」の復権目立つ
セマウル運動 根強い支持
今年は大韓民国建国60周年。だが、どのような記念事業が行われるのか、未だに見えてこない。盧武鉉政府が政府レベルで準備した痕跡はなく、市民団体が独自に企画構想を練りあげて来た。李明博大統領やオピニオンリーダーたちのコンセプトは、産業化世代と民主化世代の和合による国民統合と、それによる一流先進国建設への跳躍である。新政府の本格的な活動開始により、国民的な事業として官民共同で準備が始まるにせよ、遅れをどう取り戻すのか。しかしこの点で、国民世論が頼もしい援軍になりそうだ。
朝鮮日報が韓国ギャラップ社に委託して実施した「建国60周年特別世論調査」のうち、「建国以来の60年で最も大きな民族的な業績は何か」を問う項目で、この10年間、否定的に捉えられがちだった産業化時代の業績が、上位に復権している。
この調査は3月1日に、全国の成人724人を対象に電話で行ったもの(複数回答方式で、標準誤差の範囲は95%、信頼水準は±3・6ポイント)。調査の結果、トップ10は次のような結果となった。
①セマウル運動40・2% ②ソウルオリンピック開催30・1% ③経済開発5カ年計画と重化学工業の育成29・9% ④京釜高速道路の建設18・8% ⑤2002年サッカーW杯15・1% ⑥光州民主化運動14・1% ⑦「半導体大国」の実現10・2% ⑧一人当たり国民所得2万ドル達成9・6% ⑨6・15南北首脳会談7・9% ⑩6月民主化運動7・8%。
セマウル運動(71年から84年まで、農漁村部の近代化を中心にした地域社会開発運動。国民意識改造運動にも発展した)、5カ年計画(第一次は62年1月から。高度経済成長を牽引した)、京釜高速道路(全長428㌔。68年2月着工、70年7月竣工)という、産業化時代を代表する業績が上位を占めている。
建国50周年に際しての同じ世論調査でも、セマウル運動は1位、ソウル五輪は2位だった。だが、7位だった5カ年計画と11位だった「半導体大国」の実現が、それぞれ3位と7位にランクアップしたのが注目される。
「民主化」も存在感
半面で、李承晩政府を打倒した60年の4・19学生革命が10位圏外に去り、5・17非常戒厳令とそれにともなう武力鎮圧に反発、光州市を中心に展開され、4・19を上回る死者193人を出した光州民主化運動が順位を下げた。
全体として、経済発展と国際的地位やブランドイメージの向上につながる業績が評価を上げたことになる。だが、光州民主化運動とともに、全斗煥政府の「4・13護憲措置」に反発し、6月10日から「6・29宣言」が発表されるまでの6月民主化運動も名を連ね、存在感を示している。
過去10年にわたって、産業化時代に対する風圧が強かったことに鑑みれば、やはり時代の流れが大きく変わった。経済発展があってこその民主化であり、民主化があってこそさらなる経済発展が可能という、歴史的経験則に即した意識への回帰と言えなくもない。
産業化世代と民主化世代の葛藤を発展的に解消し、国民統合を果たしていくには追い風となる世論と言える。李明博大統領を圧倒的な支持で誕生させた意識が、そのまま反映された格好と見ていいだろう。
ちなみに、圧倒的な支持を受け、建国以来最大の業績と評価されるセマウル運動は、在日同胞には極めて馴染みが深い。民団は72年12月、代表250人を「セマウル運動参観団」として派遣、73年4月の「セマウムシムキ(新しい心を植える)青年奉仕団」による植樹運動を皮切りに、支援活動を活発に展開した。
7月にはソウルで民団幹部500人が参加する「民団セマウル姉妹結縁団」の結団式を持ち、セマウル運動指導者1000人が見守るなか、122の地域と結縁を結び、支援金約2億8000万円を伝達した。民団はその後も、農村部のインフラ整備と生産性向上とに継続的に貢献し、姉妹提携先は最終的に148地域に及んだ。
(2008.3.12 民団新聞)