掲載日 : [2008-05-14] 照会数 : 4386
<読書>創氏改名‐日本の朝鮮支配の中で 強制否定の虚を浮き彫り
40年に実施された創氏改名の狙いと実施過程を当時の資料に基づいて検証した。
韓日国交正常化交渉で日本側首席代表を務めた高杉晋一は65年1月、民族抹殺政策の要となった創氏改名について「朝鮮人を同化し、日本人と同じく扱うために取られた措置。搾取とか圧迫とかいうものではない」と発言した。問題視した日本政府はオフレコ扱いにし、事実をもみ消そうとした。また、条約の早期締結を優先した韓国政府ももみ消しを受け入れた。
日本側は創氏改名を強制ではなかったと強調したいのだろうが、「内鮮一体」のスローガンのもと、現実には8割が「自発的に」応じざるを得ない状況をつくりだした。作家の梶山季之が『族譜』で告発したように、応じない場合は、子どもが学校でいじめられるなどの不利益をこうむり、それを苦にした一族の長が死をもって先祖に詫びる事態も一方で起きた。
大蔵省が48年頃にまとめた「朝鮮統治の最高方針」の中にも、創氏改名について「朝鮮人の要望に応える…」とある。03年5月、盧武鉉大統領の訪日直前に麻生太郎政調会長(いずれも当時)は「創氏改名は朝鮮人が望んだ。ハングルは日本人が教えた」と暴言を吐いた。事実を歪曲する行為こそ、自らの国益と近隣諸国との友好をを損なうものであることを直視すべきだ。
(水野直樹著、岩波新書780円+税)
℡03(5210)4111
(2008.5.14 民団新聞)