掲載日 : [2008-05-28] 照会数 : 3730
<読書>北朝鮮特殊部隊白頭山3号作戦
左派政権の対北政策を切る
著者は海軍少佐などを歴任し、艦隊高速艇隊長時代には、北韓の特殊船を撃沈したこともある根っから国防畑の人物である。
対北政策について、多くを警告しているが、根幹を成すのは「金正日が独裁者として君臨する限り、核兵器は決して手放さない。北の人々の自由と人権は、核兵器を保有したことによって永遠に取り戻せなくなった事実」を直視せよということだ。
北韓は核の影をちらつかせ、制裁措置には「交戦も辞さない」との威嚇で政権の延命を図る。宥和政策は軍備増強の費用とミサイル・核を開発する時間稼ぎに利用され、援助米はロシアに売り、安いトウモロコシに換えた差額は軍備増強に使われる。そのトウモロコシですら、飢餓に苦しむ人々の口には入らないと批判する。
北韓は自らの主導で南北統一が実現したら、統一国家は親米国家になるとの提案を米国に行う可能性も指摘する。その第一段階が米国との国交正常化だ。米国の一極集中から中国との二極化に進む中、米国にとって避けたいのは、統一国家が米国から離反し、中国に取り込まれることだ。
米国が同盟国である韓国と日本を見捨てて、北韓と手を結ぶことも充分ありえるという。「永遠の同盟関係」は、幻想に過ぎないという警告が、杞憂に終われば幸いだ。
(高永著、講談社1500円+税)
℡03(5395)3529
(2008.5.28 民団新聞)