掲載日 : [2008-06-28] 照会数 : 3855
<読書>日本国民にとっての朝鮮問題 「思考停止」からの脱却促す
「冬ソナ」などで一気に親しみが増した韓国と、「日本人拉致やミサイル・核で威嚇する怖い北朝鮮」という両極端な見方がある。日本人がそういう思考停止に陥っているとしたら、それを根本的に改めなくてはならない、というのが本書の立場である。
韓日関係は歴史認識、独島の領有権、首相の靖国公式参拝など、ギクシャクする問題はあるにしても、韓流と日流をベースに民間交流は順調に続いている。07年に韓国を訪れた日本人が223万人を超え、日本を訪れた韓国人が260万人超という数字がそれを物語っている。
一方、北との関係はと言うと、北を紹介する映像に端的に表れている。黒のサングラスで部下に何かを叫んでいる強面の指導者、一糸乱れぬ行軍兵士、独特の抑揚でアジテーションを行う中年女性アナウンサー、といった具合である。これら垂れ流しにされる映像からは、北への脅威意識と侮蔑感しかもたらされないという。
そういう過剰なまでの北バッシングの姿勢が、過去の歴史認識や隣国とのあるべき姿を見失わせると本書は指摘する。「北朝鮮脅威論」に陥って声高に体制打倒を主張するのではなく、「日朝平壤宣言」の履行と6者協議の進展が現実的な対応だという問題提起を受けとめる必要があるのではないか、と本書は説く。
(岩本正光著、学習の友社1000円+税)
℡03(5842)5641
(2008.6.25 民団新聞)