掲載日 : [2008-06-28] 照会数 : 3685
<読書>北朝鮮はいま 果たして変化しているのか
韓国のインターネット新聞「プレシアン」が、06年4月から同年8月まで「06年、北朝鮮はどこへ」という連載企画を掲載した。北内部は劇的に変化しているのか、まったく変化していないのか、韓国内で行きかう両極端の見方を検証するために、韓国最大の北ウォッチャーグループ、北韓研究学会が中心になり、政治・外交、経済、社会・文化の3項目にわたり北の変化をまとめた。本書はその翻訳である。
北の公式イデオロギーは今も主体思想だが、95年に経済危機に瀕して以降、この単語の使用頻度が激減し、99年の新年共同社説からはすっかり消えてしまった。代わりに台頭してきたのが、先軍思想に基づいた先軍政治である。先軍政治によって体制安定に自信を持てば、北は改革・開放に向かうことができる。つまり、先軍政治は改革・開放の土台にもなりうると指摘するのである。果たして、そうだろうかと疑問を抱きつつ読み進むと、金正日国防委員長は決して武器を手離さないという逆説の前ふりだった。
07年の第2回首脳会談と金大中政府の「太陽政策」、盧武鉉政府の「包容政策」を総括する形となった大統領選挙の結果が反映されていないのは惜しいが、統一の相手である北の現状把握と、専門家集団が北をどう見ているのか、を知るのには役立つ。
(北朝鮮研究学会編、岩波新書740円+税)
℡03(5210)4111
(2008.6.25 民団新聞)