掲載日 : [2008-12-11] 照会数 : 8830
毎朝400人「全国の模範」同胞主宰ラジオ体操会
[ 広い会場に散らばり身体をほぐす人たち ]
[ 朴宏祐2代会長 ]
<大阪城ラジオ体操会>発足から休まず38年間
【大阪】ラジオ体操は気軽にできる優れた健康法として根強い人気を誇る。全国ラジオ体操連盟事務局によれば、愛好者数は推定2500万人、少なくとも全国700カ所で毎朝ラジオ体操会が開かれているという。なかでも大阪城天守閣広場前会場を本拠とする「大阪城ラジオ体操会連盟」(朴宏祐会長、民団大阪・東成支部議長)は全国でも最大クラスといわれている。
朴宏祐2代会長「これも社会奉仕」
まだ夜も明けきらない午前5時過ぎ。この日の最低気温は7度だった。JR大阪城公園方面からお年寄りたちが楽しげに会場めざして歩いていく。お互い「おはよう」「元気やった?」と声を掛け合っている。朴会長はみんなより一足早く会場に着き、「大阪城ラジオ体操会連盟」の垂れ幕を掲げていた。
6時30分きっかり、ラジオから聞き慣れた「おはようございます」のはつらつとした声が響いた。在日同胞も含め、参加者は壇上の公認指導者に従いながら第1、第2体操と続けて体を動かした。この日の参加者は400人ほど。夏ともなれば、1000人近くにまでふくれあがるという。
大阪城ラジオ体操会連盟の発足は1970年のこと。雨の日も休むことはない。朴会長は発足当初からのメンバーだ。89年からは第2代会長を務めている。会長就任の翌年には全国ラジオ体操連盟事務局から「こんなにも長く継続し、これほど多くの人たちが集まるのは全国的な模範」と表彰された。
当初は小さなスピーカーを下げてのラジオ体操会だった。参加者も少なく、意気も上がらなかった。ところが、松下電器の総帥、故松下幸之助さんが見て、「これはいいことをしている」と最新型の大型スピーカーを無償で提供してくれた。それからは参加者も増えていった。このスピーカーは「いまでもありがたく使わせてもらっている」(朴会長)。
17年前にご主人を亡くしてからラジオ体操会に参加しているという川口喜美子さん(73)は「みんなから元気をもらっている。とても楽しい」と話していた。毎朝20分かけて自転車で駆けつけてくる蛯谷京子さん(73)は朴会長を手伝って今年で16年目。この間、ご主人を亡くすという不幸に見舞われたが、ラジオ体操会への参加が生き甲斐になっているという。
「ラジオ体操は健康維持につながる。これも社会奉仕ですわ」と話す朴会長の肌は血色もよく、とても83歳とは思えない。09年の元旦もラジオ体操で新年を迎えるという。「朝日からパワーをもらいながら、新しい1年を迎えたい。これからも続けられる限りは頑張っていきたい」と語っていた。
(2008.12.10 民団新聞)