掲載日 : [2008-12-24] 照会数 : 5931
体系的統一教育が必要 大阪フォーラム
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次世代の役割 問題の正しい理解へ
【大阪】「韓半島の平和統一と次世代の役割」をテーマに、民主平和統一諮問会議(平統)日本地域近畿協議会(李龍権会長)が主催する「2008平和統一フォーラムin大阪」が12日、近畿圏民団各本部団長、諮問委員ら約250人が参加して大阪韓国人会館で開かれた。平統(議長=李明博大統領)の李基澤首席副議長による特別講演の後、主題発表とパネルディスカッションが行われた。
李龍権会長の開会辞に続き、鄭進・平統日本地域副議長(民団中央本部団長)はあいさつで「3世、4世が中心になりつつある同胞社会において、韓半島の平和・統一への関心が薄くなった現状がある。今日のようなフォーラムを通じて在日同胞の意識を高め、日本社会にも波及させていくべきだ」と期待を表明した。
主題発表した鄭夢周前民団中央本部事務総長は「在日次世代の民族意識覚醒に深刻な影響を与えているのが祖国の分断だ」と指摘、平統諮問委員の役割として、統一祖国に向けての関心を高め、韓半島と韓半島出身の在外同胞との連帯、在日同胞の多様化やそれぞれの価値観の多様化を見据えた次世代の育成が大事だと強調した。
徐元民団中央本部国際局長をコーディネーターとした討論会では、「平和統一を阻害している要因」について鄭早苗大谷大学教授は「在日社会においては総連の考え方がかたくなであること」をあげ、「統一後は、北韓の一般庶民を韓国国民にどれだけ近づけることができるのか、その自立支援が大事だ」と表明。林永起青年会中央本部副会長は「在日青年世代には、分断国家であることが民族的コンプレックスとして潜在的に存在する。分断状況打開への関心が薄れていることが問題だ」と述べ、体系的な平和統一教育の必要性を訴えた。
壽隆前青年会中央本部会長は、「韓国の教科書にすら在外同胞の貢献は記述されていない。建国以来、貧しさの中でも祖国や故郷へ貢献してきた在日同胞の存在を、政府は教育の中で伝えるべきだ。また韓民族のネットワーク作りに、在日を活かしてほしい」と述べた。
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「核放棄が平和の前提」
李基澤平統首席 副議長特別講演
呉榮煥駐大阪韓国総領事の祝辞の後、「韓半島の平和統一と在日同胞の役割」と題して特別講演を行った李基澤首席副議長は、韓国の近代化における在日同胞の役割を高く評価し、70年代のセマウル運動、88ソウル五輪誠金募金運動、90年代のIMF外貨送金運動、02年の韓日共同ワールドカップ誠金募金運動などに改めて感謝を表明した。民団と在日同胞による南北統一運動にも言及し、平和統一推進のために北韓の近代化にも力を発揮してほしいと要望した。
李首席副議長は、李明博政府の「共生と共栄の対北政策」の基本精神である「非核・開放・3000」構想について、統一の条件を整えるために南北がともに「ウィン・ウィン」をめざすものであり、北韓同胞の1人当たり国民所得が3000㌦になるよう国際社会と協調して支援することで北韓の近代化を促進するものだと説明した。同時に、「北韓核問題の解決なくしては真の意味の平和は難しい。平和が保障されてこそ南北関係の成熟した発展が期待できる」と強調した。
(2008.12.24 民団新聞)