掲載日 : [2009-01-28] 照会数 : 6500
<女性コラム>そうか私は外国人
アメリカがオバマ新政権誕生に沸いた20日、コラムの新年第1弾を任され私の気分も上々。よし!と机に向かい2008年を振り返る。
昨年9月、私事ですが結婚しました。在日の彼と1年3カ月の交際を実らせました。小宴ながら家族と友人に囲まれ幸せな時も過ごした。そんな式の興奮も冷めやらぬある日、婚姻届を取りに行った彼がほかにも書類がいると言う。戸籍や独身を証明するものだ。役所の言うままに書類を集め、ようやく受理された時にはすでに式から1カ月も経っていた。
そんな時ふと思い出されたのが大学時代。友人4人でロスに行こうとしたが、私だけ成田を飛べなかった。韓国籍の私はビザが必要だったのに旅行会社が忘れてしまったのだ。思わず空港で泣いたのは若かったからか。 そんなことを思い出しながら、そうか私は外国人だった、と再認する。日常になじみすぎたか、外国人だということにぴんと来なくなっていた。おかげ様で、入籍やその後の新居探しでしっかりと外国人だという洗礼を受けたのだけども。
そうだよ、私は外国人なんだ。その事実は実家という基地からようやく出た私に、ズキンと突き刺さった。社会で働くことだけじゃない。自立、という岐路に今、初めて立ったのかも知れないと思った。2009年はそんな思いを抱きつつ、改めて日常を見直してみたい。
まぁその前に、忙しい年末ですっかりないがしろだった甘い新婚生活を、まずはしっかり満喫しなくてはならないのだけど。
李慶姫(神奈川県・歯科医師)
(2009.1.28 民団新聞)