掲載日 : [2009-02-04] 照会数 : 7890
<高知>ダム工事犠牲同胞…高校生が石塔
ダム工事で犠牲の徴用同胞
高校生が石塔建立へ…高知県大正町
【高知】高知県で地域史の掘り起こしを進めている高校生の横断的な自主サークル「幡多高校生ゼミナール」は、第2次大戦中に幡多郡大正町でダム工事に携わり、犠牲となった韓国人を慰霊する石塔のモニュメントを建設する。
計画している石塔の高さは2メートル30センチ。頭上には韓国の国鳥・カササギを形とった自然石を置く。表面には済州道のトルハルバンと日本の地蔵を並べる。6月から建設に入り、8月に完成の予定。除幕式には韓国から高校生たちを招く。建設委員会では「この事業は多くの県民の、ひいては日本国民の思いや願いを実現するもの」と話している。
同ゼミナールは92年から四万十川中流にある大正町(現四万十町)津賀ダム工事に強制連行されてきた韓国人労働者の実態調査を行い、調査で発見された無縁墓には墓標を建立するなどして供養してきた。しかし、いまなお同ダム近くの山中には多くの韓国人犠牲者が眠っているとみられることから、地域や行政の協力のもと、慰霊碑建設委員会をこのほどたちあげた。
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取り組み25周年…記念の小冊子に
幡多ゼミナール
同ゼミナールは結成25周年を記念してこれまでの活動をまとめた小冊子「ともに学ぶー地域の朝鮮人問題に向き合う日韓高校生の学習・交流活動」(B5版、91㌻)を出版した。柏島と津賀ダムの韓国人強制連行、釜山の高校生との交流の様子など9章にわたりまとめた。ゼミナール関係者は「学校や地域で人権教材として活用してほしい」と話している。問い合わせはTEL&FAX 0880-37-3833(同ゼミナール上岡顧問)。
(2009.2.4 民団新聞)