掲載日 : [2009-02-18] 照会数 : 5818
韓国語で無償ガイド 奈良へようこそ
[ 春日大社でガイドを務める池田会長(中央) ]
登録25人 渡来文化との関わり説明
【奈良】奈良市内で韓国語ボランティアガイドを多数加えた「奈良外国語観光ガイドの会」(池田常雄会長)が活躍している。来年に迫った「平城遷都1300年祭」に備え、昨年4月に発足した。メンバーは韓国語25人、中国語12人、英語35人の総勢72人。市内でこれだけ多くの韓国語ボランティアが加わったガイド団体は同会だけ。
韓国語ボランティアガイドは、近鉄奈良駅構内や東大寺山門、春日大社や興福寺近くの奈良公園内などに立ち、交替で実地研修している。胸には「奈良へようこそ」と書かれたハングルが目立つ。依頼を受けるや、まずは東大寺境内の氏神神社「辛国神社」と近鉄奈良駅前に立つ行基菩薩の噴水まで案内し、奈良と渡来人の関わりをひとしきり説明している。
会の代表を務める池田さんは県庁職員だった87年から民団奈良県本部会館に通い、韓国語を学んでいる。奈良市は慶州市と姉妹締結していることから、職員時代から慶州には何回も足を運んでいる。そうした時、韓国からやってきた観光客を自宅で受け入れることになり、「一つでも韓国語を話せたら」と思ったのがきっかけだった。
定年を機に県の「外国語ボランティア養成研修」を修了した受講生たちに呼びかけて会を立ち上げた。メンバーは20代から70代までと幅広く、職業も主婦や商社マンなど様々だ。池田さんは「韓国語を通して多くの友人ができました。仲良くなっていくことが、韓国語をもっと勉強しなければという動機付けにつながっています」と話している。
メンバーは観光ガイドの実地研修を重ねながら、その成果を奈良市中央公民館と西部公民館で開く例会で韓国語と中国語、英語の手引き書に反映している。資料ができあがると、韓国人留学生の添削を受け、何回も練習して正確な発音を心がけている。
会では現在、ボランティアガイドを募集している。問い合わせは(℡0742・43・2938)池田さん。
(2009.2.18 民団新聞)