掲載日 : [2009-03-25] 照会数 : 6001
<生活>この春門出はチマ・チョゴリ 新興商会
[ ファン・ジニの衣裳 ]
専門3店に聞く
4月は門出の季節。特別な場所に出席するときに、ひときわあでやかで目を引くチマ・チョゴリを着て行きたいもの。古典的でシックなデザインから、現代感覚を取り入れた個性的なものまで、その種類は豊富だ。近年、オーダーメイド派も増えているなど、人気は高まっている。今年の傾向や、お薦めのチマ・チョゴリなどについて、東京と大阪で聞いた。
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韓流ドラマのファッション
大胆に 粋に装う
新興商会
「今年人気が出そうなデザインの傾向は、刺繍を施した豪華なものや、チマの上にさらに布をあてがった2枚重ねのものなど、ファッション的要素の強いチマ・チョゴリですね」
大阪の鶴橋商店街でチマ・チョゴリ専門店「新興商会」を構える代表の安伊三男さん(61)。店内にはところ狭しと色鮮やかなチマ・チョゴリが、整然と並べられている。同店では、韓国から輸入された古典的でシックな雰囲気のものと、在日同胞の好む華やかで豪華なものをメーンに、顧客のニーズにあう衣裳を提供している。
同胞以外の客も増える
客層は在日同胞はもちろんだが、全体の1割程度は日本人客だ。中高年層ではカラオケや舞踊、若い女性たちは卒業式やパーティーの際に着ることが多いと話す。
とくに韓流ブーム以降、同胞や日本人を問わず、韓国テレビドラマの主役の着たチマ・チョゴリを求めるケースが顕著に増えてきた。「今年は『黄真伊(ファン・ジニ)』の影響が大きい」と安さん。「1世、2世からみると、いくら役柄でも、妓生(キーセン)の衣裳ということで敬遠しますが、3世や4世や若い日本人女性たちは格好いいし、素晴らしいという感覚で購入します」
ある同胞女性は、大学の卒業式にファン・ジニの衣裳を着て出席。「着てよかった」という内容のお礼の手紙が届いたという。同胞同士の結婚式の2次会でも、この衣裳を着る機会は増えているそうだ。さらに大阪の服飾デザインを学ぶ専門学校の生徒たちも、買い求めていった。
「韓流の力は大きいですね。日本のファッションにないものを、若い女性たちが発見しています。これまでになかったことですが、若い方たちは綺麗でおしゃれな民族衣装を、自分の個性の一つとして粋に着こなしています。それを満たしているのがチマ・チョゴリであり、今年はファン・ジニの衣裳です」
ファン・ジニの衣裳は価格8〜10万円。既製品のほか、オーダーメイドも受けつけている。価格は6〜15万円前後。仕上がりまで約3週間はかかる。
新興商会=大阪市東成区東小橋3‐15‐9 (℡06・6971・0671、FAX06・6971・3639)。営業時間=9〜18時。定休日隔週水曜日。
(2009.3.25 民団新聞)