掲載日 : [2009-03-25] 照会数 : 10160
北韓ミサイル発射計画 鄭進民団中央団長が談話文
北韓の無謀 許せぬ
民団中央本部の鄭進団長は25日付で、「北韓のミサイル発射策動を断固糾弾する」と題した談話文を発表、「日本上空を軌道に核弾頭搭載が可能な長距離弾道ミサイルを発射することは、東アジア・太平洋地域の軍事的な緊張を一挙に高め、在日同胞に手ひどい打撃をもたらす」と指摘し、「韓半島の平和確保と民族生存のための民主的平和統一の一翼を担う気概にかけても、発射強行を座視しない」と強調、「発射計画の即時撤回を断固要求」した。談話文全文は次の通り。
在日同胞に打撃深刻
平和破壊策 即時撤回を
北韓は、4月4日から8日の間に「人工衛星を打ち上げる」と予告し、その「打ち上げロケット」の軌道が日本上空を通過することを国際機関に通告した。北韓当局は「宇宙開発は権利」であり「何が飛ぶかは見ていれば分かる」と喧伝しつつ、「ロケット」の発射準備を強行している。しかし、北韓が如何に取り繕おうとも、その「ロケット」が核弾頭搭載可能な長距離弾道ミサイル「テポドン2号」であるとする国際社会の目をごまかすことはできない。
北韓は1993年5月に、東海(日本海)海上に向けて「ノドン」を発射したのに続き、98年8月に「テポドン1号」を発射し、その弾頭部分を日本列島越しに三陸東方沖に着弾させ、その後に「人工衛星だった」と主張した前歴がある。さらに2006年7月に、テポドン2号やノドンなど7発のミサイルを「軍事訓練の一環」として発射した際、テポドン2号が発射に失敗し、弾頭部分が東海に着弾したとの記憶も新しい。周辺国を一方的に危機に巻き込みかねない一連の無謀な行為に対し、国連安保理は全会一致で非難決議を採択した。
核兵器の所有を宣言する北韓が今回、日本上空を軌道に核弾頭の搭載が可能な長距離弾道ミサイルを発射することは、日本をはじめ東アジア・太平洋地域の平和と安全を大きく脅かし、軍事的な緊張を一挙に高めるだけでなく、日本に居住する私たち同胞に手ひどい打撃をもたらすことは余りにも明らかである。発射が失敗することによって、ミサイルの一部が日本の領土・領海に落下することになれば、私たちの懸念はいっそう深刻なものとなるだろう。
私たち民団は、韓半島と東アジアの平和・繁栄を願い、在日同胞の生活と安全を守る立場から、北韓に対しミサイル発射計画の即時撤回を断固要求する。韓半島の平和確保と民族生存のための民主的平和統一を求め、その一翼を担う気概にかけても、発射強行を決して座視しない。
北韓は発射計画を直ちに撤回するとともに、南北政府間の対話再開や6者会談など平和の枠組みづくりに速やかに応じるべきだ。核兵器を含む大量破壊兵器の開発・所持を、韓・米・日3国をはじめとする国際社会が容認することは絶対にない。自らの国民の人権と生命を犠牲にし、東アジア・太平洋地域の平和破壊をもたらす蛮行によって北韓が得るものは、自壊作用の加速化だけである。
北韓に対する国際的な包囲網と圧力はまだ、改革・開放に望みをつないでいる。しかし、国際社会の忍耐にも限度があり、北韓の選択肢は時を追って狭まっている。北韓はいまこそ、住民の生活と生命を犠牲にする軍事優先の「先軍政治」を放棄し、一切の威嚇・挑発策動を打ち切らねばならない。
(2009.3.25 民団新聞)