掲載日 : [2009-04-01] 照会数 : 9442
団員奉仕模索して10年 「無窮花サービス」
[ 寿衣をまとった伝統葬儀の模様 ]
冠婚葬祭から法律相談、本国不動産管理まで
広がる業務、収益にも貢献
【神奈川】団員のための生活サポートセンターを旗印に民団神奈川県本部が「無窮花サービス」を始めてから10年が経過した。同サービスは伝統的な冠婚葬祭から始まり、試行錯誤しながら団員ニーズに応えてきた。財政的にも年間300万円ほどの利益を計上しており、しっかり定着しつつある。
無窮花サービスは「団員のかゆいところに手が届くサービス」を基本に98年からスタートした。冠婚葬祭業務と並行して進めてきた相続を中心とする各種法律相談は増加傾向にあり、08年度は前年度対比2倍の相談実績を記録した。 韓国国内での法律整備に伴い、07年度から始まった韓国内不動産関連事業である「民団ポットンパン(不動産)」は全国各地から反響を呼んだ。最終的には計168件の相談があった。「特需」の終わった昨年度も33件と、依然としてニーズは底堅いものがある。
昨年10月からは各種法律相談に伴う翻訳業務を体系化した。依頼内容は本国財産の相続や家族関係の証明書などに対する確認事項が多い。同本部では弁護士や法務士(司法書士)とも連携して団員の依頼に応えてきた。この結果、訴訟・契約に関する翻訳・通訳の依頼は6カ月間で30件に達した。今後、除籍謄本をはじめとする各種証明書の代理発給業務と合わせ、同本部の主力収益業務に発展していく可能性は大きいと見られている。このほかにも、航空チケットの予約・発券といったツアー業務も新たに加わえた。
営利が目的ではないといいながら、こうした団員サービスの対価は、積もり積もって全体では年間平均300万円程度の収益をあげるまでに成長し、厳しい民団神奈川の財政を助けている。
一方で、親近感・斬新性に欠けるという声や、業務の拡大に伴って「統一性に欠けるようになった」という指摘も聞かれる。需要が一部の地域に偏り、県内全域に広がっていないという悩みも解消されていない。これらは今後の課題だ。
無窮花サービス担当事務局では、「民団として団員のためになにができるか、いつも職員全員で議論している。ネタはいくらでもある。これからもアイデアを競って、困ったら無窮花サービスと言われるようにしていきたい」と意欲を燃やしている。
(2009.4.1 民団新聞)