掲載日 : [2009-04-29] 照会数 : 6663
写真で迫った命がけの脱北が出版
朝鮮日報カメラマンが出版
10年にわたって、脱北者の実態を追ったカメラマン、崔淳湖さんの写真集『脱北者 命懸けの脱出と今を追う』が3月21日、現文メディアから刊行された。
1990年代後半から北韓の食糧事情の悪化により、数十万人といわれる脱北者が発生した。そのうち渡韓したのは1万3000余人。中国をはじめ第3国にとどまっているのは、15万人を超すと見られている。同書は朝鮮日報のカメラマンである崔さんが取材を通して、生死の境をさまよいながら渡韓した、脱北者たちの生々しい姿を写真と文で浮き彫りにしている。
脱北、逮捕、拷問の末、腐った両方の足を切断した女性。トイレにいるネズミをつかまえて食べたと話す青年など、常に死と隣合わせにあった、脱北者たちの証言も収録している。さらに韓国に逃れても、孤独と不安、経済的貧困などで苦しむ脱北者が、厳しい状況に置かれている実情も紹介する。
「この写真集によって、人々が少しでも関心を寄せてくれるきっかけになれば」と話す崔さん。脱北者が背負ってきた数奇な運命に向き合いながら、彼らの喜怒哀楽を静かに切り取った。
定価1900円(税別)問い合わせは現文メディア(℡03・6413・7691)。
(2009.4.29 民団新聞)