掲載日 : [2009-05-27] 照会数 : 4882
韓日の友情育み50日 21世紀の朝鮮通信使
[ 喜びを全身で表しながら日比谷公園に入る隊員たち
]
[ 日本ウオーキング協会の村山友宏会長(右)に隊旗を贈る正使役の宣相圭韓国体育振興会総裁 ]
ソウル→東京 1158キロ
「第2次21世紀の朝鮮通信使 韓日友情ウオークの会」(日本ウオーキング協会、韓国体育振興会など主催)隊員一行が20日、東京・千代田区の日比谷公園に到着した。4月1日のソウル出発時の肌寒さは50日を経て、いつのまにか初夏の陽光に変わっていた。吹き出す汗をぬぐいながら旧江戸城外桜田門に入るや、韓国人参加者の中から感極まった「マンセー」の声が上がった。
日比谷公園では民団中央本部と婦人会東京本部の関係者らが「歓迎」の横断幕を持って出迎えた。埼玉からは「川越唐人揃い・朝鮮通信使パレード実行委員会」のメンバー15人が往時の衣装で駆けつけ、チャンゴやチンを派手に打ち鳴らしながらゴールインを祝った。隊員は手を振りながら入場すると、互いに握手を交わし、感激を分かち合っていた。中には「途中リタイヤしなくてよかった」と、涙を浮かべる参加者も見られた。
公園内で開かれた閉会式席上、正使役を務めた韓国体育振興会の宣相圭総裁は、「私たちは400年前に先祖が歩いた韓日両国間の平和の道をいま一度たどり、愛と友情を育んできた。朝鮮通信使の歩いた道は世界平和につながる道でもある」と述べ、出迎えた社団法人日本ウオーキング協会の村山友宏会長に「国書」の代わりとして隊旗を手渡した。
「友情ウオークの会」事務局によれば、ソウル‐東京間約1158㌔を歩き通した隊員は韓国側6人、日本側14人の計20人。途中、ソウル‐釜山間の韓国コースで808人、対馬〜東京間の日本コースでは906人と、延べ1714人の一般参加者が「21世紀の朝鮮通信使」の趣旨に賛同してウオークに加わったという。
在日同胞はソウルから5人が参加、天野梨絵さん(62、埼玉)と高富江さん(67、静岡)、鄭一男さん(68、宮城)の3人が東京まで完歩した。
鄭さんは「本国では行く先々で子どもたちが出迎えてくれた。夜は市長や村長が連日のように心づくしの宴を用意してくれた。日本に到着してからは飛び込みの参加者に励まされた」と語った。
韓国語の通訳も務めた天野さんは、「皆さんと心を一つに歩けたのがいちばん。日本人参加者がアリランを歌ってくれたのに励まされました。ただただ感謝の思いでいっぱいです」と笑顔を見せた。特に民団静岡本部の歓迎がうれしかったようで、金光敏団長から贈られたサインを見せた。
今回のウオークに対しては、財団法人韓哲文化財団(韓昌祐理事長)が隊員40人の日本国内宿泊やフェリー・バス費用など120万円を助成した。2年後の2011年には「第3次21世紀の朝鮮通信使」を予定している。この年は江戸時代の朝鮮通信使が最後に往来して200年にあたるとあって、朝鮮王朝の末裔が参加する予定。
(2009.5.27 民団新聞)