掲載日 : [2009-06-25] 照会数 : 9524
1000年前の高麗伝統酒、大阪で蘇る
[ 洪さん(左)が商品化に成功した伝統酒(右) ]
【大阪】1000年前の高麗時代から受け継がれてきた韓国の伝統民俗酒が独自の醸造法でよみがえった。生野区「コリアタウン」で韓茶カフェ「流れる千年」を経営する洪貞淑さん(46、韓国料理研究家)が韓国で僧侶から教えを受け、2年間試行錯誤を重ねた末に商品化に成功した。
洪さんが商品化に成功した伝統酒は、黄金色に輝き、まろやかで果実のような香りが特徴。この味と香りが東西南北の四方八方へ広く伝わるようにと「サヒャンジュ(四香酒)」と名付け、6月から本格的な販売を始めた。
材料は餅米と米、麹だけと至ってシンプル。材料を粉末にして水で溶き2、3日寝かした後、蒸したもち米と水を加えると、オンギ(甕)の中で深呼吸しながら育っていく。美味しさの秘密は発酵を促進するオンギにある。約50日後に布でこしてできあがり。
洪さんは3年前、韓国の高僧、指月さんと出会い、伝統民俗酒の開発を決意する。指月さんはたまたま慶尚南道の寺院から病気療養のため、日本を訪れていた。洪さんは自身が生まれ育ったコリアタウンから韓国の伝統文化を発信し、「誇れる町」にしていきたいという夢を語った。熱意に心を動かされた指月さんは「私たちの文化が韓日友好に役立つならば」と快く協力を約束した。
それからは二人三脚で昔ながらの醸造法を守り伝えてきた慶尚南道の名家を訪ね、仕込み方法を学んでは試行錯誤を重ねてきた。2年がかりでようやく納得のいく味にたどりついた。できあがった天然の醸造酒からはメロンや桃など果物の香りがした。このサヒャンジュはミネラル豊富な水が取れる慶尚南道永川郡の山の麓に設立した醸造所に36リットル入りのオンギを150個置き、手作業で生産している。
店頭では昨年末からテスト販売してきた。アルコール類をたしなむことのなかった主婦からは、「初めてお酒の美味しさを知った」という声も届いている。関西で活躍する芸能人が東京に手みやげにと持参するという。 アルコール分14度。現在、期間限定で500㍉㍑入りの小2000円、750㍉㍑入りの大が3000円。地方発送も受け付け中(送料別)。
問い合わせは流れる千年(℡06・6716・7111、FAX06・6716・7113)
http://www.nagareru1000.com
(2009.6.25 民団新聞)