掲載日 : [2009-07-01] 照会数 : 7368
特別永住者は常時携帯義務削除へ 入管法改定案
衆院通過し参院審議
外国人登録証明書に代わる新たな身分証として、法務大臣が3カ月以上滞在の外国人に発行する「在留カード」による新たな在留管理制度などを盛り込んだ入管法等改定案と、外国人登録制度を廃止し、在留外国人を住民基本台帳制度の登録対象とする住民基本台帳法改定案は、6月19日の衆院本会議で自民、公明、民主3党などの賛成多数で可決された。いずれも参院に送付された。
入管法等改定案は、自民、公明、民主3党の修正で、太平洋戦争の降伏文書に調印した1945年9月2日以前から引き続き日本に居住している約44万人の韓国・朝鮮人、台湾人とその子孫を指す「特別永住者」に新たな身分証明書として交付する「特別永住者証明書」の常時携帯義務と罰則規定を削除。また、付則で「永住者」資格で居住する在日韓国・朝鮮人らのカード携帯義務の将来の見直しに言及した。
付帯決議は「永住者のうち特に我が国への定着性の高い者についての在留管理の在り方の検討に当たっては、その歴史的背景をも踏まえ、在留カードの常時携帯義務及びその義務違反に対する刑事罰の在り方、在留カードの更新等の手続き、再入国許可制度等を含め、在留管理全般について広範な検討を行う」としている。
新たな在留管理制度では、再入国許可の条件を緩和。特別永住者については、2年以内に日本に戻るのであれば、許可なく出入国できる。中長期在留者(一般永住者を含む)外国人は、1年以内に日本に戻るのであれば、許可なく出入国できる。再入国許可の有効期限も特別永住者に対して現行の5年を7年に延長。中長期在留者は現行の4年を6年に延長する。
これまで市町村が発行していた外国人登録証明書は廃止し、中長期在留者には国が在留カードを発行、住所や勤め先などの情報を一元管理する。 住基法改定では、在留期間が3カ月を超す外国人に自治体が住民票を作成できるようになる。改定案については、住民登録されない不法滞在者も義務教育など一定の行政サービスが受けられるよう配慮を政府に求めることで与党と民主党が合意し、19日の衆院総務委員会で共同修正の上、可決していた。
(2009.7.1 民団新聞)