掲載日 : [2009-09-30] 照会数 : 9462
認知度アップへ結束 東上野コリアンタウン祭
[ 黄恵蘭さんによるオモニ直伝のキムチ漬けが好評 ]
焼肉や韓国惣菜、民族衣装などを商う21店舗が集中する東京・東上野地区で27日、「第2回コリアンタウン祭」が開かれた。実行委員を担ったのは同商店街の在日2、3世世代。1世が苦労して築き上げてきた「本物の味・質」を継承し、さらに広げていこうと、1年がかりで準備してきた。台東区と都が街の活性化に役立つと認め、今年も補助金を出してバックアップした。
2世ら 1世の本物志向を継承
自治体の支援も
JR上野駅付近から御徒町方面に通じる昭和通りの裏手が通称「東上野コリアンタウン」だ。この日は50㍍余りにわたって10余りの露天が立ち並び、キムチ、牛骨付きカルビ、ハチノス、アキレス腱、豚キムチ丼、トッポッキ、牛すじの煮込み、チヂミ、餅などを買い求める人たちで終日ごったがえした。
昨年の第1回は試食にとどめたが、今年は有料とした。ただし、ほとんどがワンコイン(500円)で買える手軽さで、市価より2〜3割も安い。韓国惣菜を扱うコーナンフーズ店の女主人は、「祭りだから」と割り切った表情だった。目的は味を覚えてもらい、店舗に足を運んでもらうことのようだ。
実行委員長を担った「東上野コリアンタウン会」会長を務める在日2世の徐京秀さん(35、アリラン亭)は、「台東区に住んでいてもコリアンタウンの存在を知らない人が多い。先代が築いたこの町の認知度を高めるのが、われわれの務め」と語った。
在日2、3世世代が実行委員会を担って1年前から企画。予算は100万円余り。この3分の2は街のさらなる活性化を期待する区と都が助成金を出した。
イベントの目玉は「キムチ作り体験」。先着で参加者10人を募集したところ、呼びかけ後、約10分足らずで枠がすべて埋まった。第一物産の黄恵蘭社長が、オモニ直伝というキムチの漬け方を伝授した。また、プゴク(干したら)スープを売り出した店では、客が「作り方を知りたい」とレシピを求めていた。
コルム舞踊団の公演にも人だかりができた。商店主の威勢の良い「チョアヨー」「チョッター」の合いの手がこの街によく似合っていた。
東上野コリアンタウンは1958年ごろ、御徒町商店街から枝分かれした焼肉店、キムチ店、肉店、民族衣装店などの在日同胞経営主が現在の場所に集まり、「上野親善マーケット」を形成したのが始まりとされる。世代交代が進み、多くの店で2、3世が中心となって采配をふるっている。
(2009.9.30 民団新聞)