掲載日 : [2009-11-26] 照会数 : 4734
<李大統領>北韓山林緑化に意欲 官民あげて推進へ
南北に利益 来年初にも具体化
【ソウル】李明博大統領は、17日に主催した国務会議で北韓の山林状況と造林事業を進めた場合に韓半島全体に与える効果を把握するよう関連官庁に指示した。李大統領は、かねてから「北韓の山林緑化」について協力を表明しており、南北双方に実益のある経済協力事業の拡大および韓半島全体の環境保全につながるものとして、改めて強い意欲を示した。
李大統領は、二酸化炭素排出権の確保に向けウルグアイで造林地を買い入れたPOSCOに言及し、「南米よりは近くて樹木が少ない北韓で造林を進めた方がよいのではないか」と述べ、北韓の山林実態の把握などを改めて促した。
また、民間や地方自治体が散発的に北韓で植樹を行っていることについて、低炭素・緑色(グリーン)成長の一環として政府が総合的かつ体系的な計画を立て、北韓での造林を支援する案を研究し、検討するよう求めた。
李大統領は、これまでも開発途上国での造林事業だけでなく、北韓での同事業の推進がさまざまな面で国益のためにもなると表明してきた。非政治的で人道的な交流事業として南北関係の改善に肯定的な影響を与え、二酸化炭素排出権も確保できる上に、韓半島全体の山林環境をバランス良く向上させることができるという考えだ。
李大統領の指示を受け、山林庁は北韓の山林状況や樹木分布などの把握に乗り出した。また、大統領直属の緑色成長委員会は山林庁の研究結果などを基に、早ければ来年1月に北韓内造林地造成事業を案件化する。
李大統領は、2007年の大統領選挙の際、山林が荒廃した北韓に「1億本の木を植える」という公約を打ち出していた。昨年3月には環境部に続き統一部に対しても「北韓山林緑化協力」具体化方案の検討を指示している。
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北韓山林復旧 3段階計画案
山林庁は昨年、北韓の山林163万㌶を復旧するという「北韓山林復旧基本計画」をまとめていた。国会外交通商統一委員会の民主党議員が10月22日に山林庁から入手した同計画によると、3段階にわけて復旧事業を推進する。
第1段階は昨年から今年までに衛星写真などを活用、北韓の行政区域別に山林実態を調査、まず山林5000㌶を復旧。第2段階(2010年〜12年)では養苗場造成と山林病害虫防除推進および教育・訓練プログラムを運営、4万5000㌶を復旧。第3段階(13年以後)では158万㌶の復旧事業を開始、農業生産性向上事業およびエネルギー供給も並行推進するとなっている。
平壌と沙里院、開城など北韓主要都市近隣の山林を優先的に復元する一方、金剛山近隣山林も復元して金剛山観光特区活性化を誘導。開城地域山林の場合、炭素排出権確保のための民間企業の造林事業地として活用したいとしている。
(2009.11.25 民団新聞)