掲載日 : [2010-01-15] 照会数 : 5012
<李大統領新年演説>南北関係転機の年に
常時対話機構の設置提案
【ソウル】李明博大統領は4日に青瓦台で行った新年国政演説で、「今年は南北関係で新たな転機を迎えなければならない。そのためにはまず、南北の連絡を行うための常設機関を設置する必要がある」と強調し、北韓に対して「本当に心を開き、対話と協力の道へと進んでほしい」と呼びかけた。
李大統領は、さらに「早期に6者会談に復帰することを求める。韓半島の非核化が進展し、本格的な南北協力の端緒になることを期待する」と表明した。特に今年は6・25韓国戦争勃発から60年となることから、南北対話を通じ、北韓内に残されている韓国軍兵士の遺骨発掘事業を推進すると明らかにした。
3大国政運営の基調としては、①グローバル外交強化②経済活力の向上と先進化改革③庶民寄り・中道実用政策を掲げた。核心となる5大重要課題には、①経済再生②教育改革③地域発展の転機づくり④政治先進化改革⑤全方位外交および南北関係の実質的変化を挙げた。
李大統領はまず、「より大きな大韓民国」をつくるために世界中の国と全方位の外交を繰り広げると明らかにした。今年が韓日併合100年に当たることには触れず、「韓中日関係をさらに緊密にし、新アジア外交に一層拍車をかける」と強調するとともに、アフリカ外交の強化を打ち出した。国際的な責任の強化として政府開発援助(ODA)と国連平和維持活動(PKO)参加を拡大する。アフガニスタンへのPKO派遣にも言及した。
また11月にソウルで開催予定の20カ国・地域(G20)首脳会合を契機に、今年を「先進一流国家」になるための基礎を築く年と位置付けた。
国民統合の政治推進
政治の先進化改革については、全国民が生産的、合理的、国民統合の政治を期待しており、これ以上先延ばしにはできないと述べるとともに、国民の自由を守る土台である法秩序の先進化を確立すると強調。すでに動き始めている行政区域の改編では、自律統合に乗り出す自治体を積極的に支援する。排他的な地域主義の緩和と対決政治の克服に向け、選挙制度改革も年内に達成すべき課題とした。
急速に復調している経済について、李大統領は経済再生を今年一番の国政課題に挙げた。その核心は雇用創出にあるとし、「上半期に非常経済体制を終え、下半期には庶民も経済回復を肌で感じられるよう、総力を傾ける」と約束した。
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李大統領は2008年4月、米紙「ワシントンポスト」とのインタビューで「ソウルと平壌に高官レベルの常時連絡事務所を設置したい」と表明、「連絡事務所長は南北の最高責任者の声を直接伝えられるほどの地位にいる人にすべきだ」と述べていた。
(2010.1.13 民団新聞)