掲載日 : [2010-02-24] 照会数 : 5392
熱気渦巻くハルモニの冬季五輪 川崎トラヂ会
[ ジェットローラ‐に寄せる真剣な目 ] [ ポイントゾーンに向けていざ、投球へ ]
カーリングならぬカローリング競技
金・銀・銅特製メダルめざし
【神奈川】川崎市川崎区の同胞高齢者クラブ「トラヂの会」は17日、川崎市立桜本小学校内で「冬季オリンピック大会」を開いた。種目は氷上のカーリングならぬ、床面で楽しむカローリングの1種目。参加した60人のハルモニたちは、鉢巻き姿で歓声を上げていた。会場はバンクーバーに負けない熱気に包まれた。
カローリングは底面に3つの車輪がついたプラスチック製の円盤「ジェットローラー」を使う。ハンドルを軽く握り、前に押し出すようにして投球するもの。ただし、競技感覚はストーンを使うカーリングそのもの。
ゲーム開始前、「トラヂの会」の世話にあたる川崎市ふれあい館の職員が、目標となるポイントゾーンまでの距離が遠いと判断。スタートラインをポイントゾーンに近づけると、ハルモニたちのなかから一斉に「近いー」とブーイングが出た。競技開始前からやる気満々だった。
「ピンク」「青」「緑」「黄」の4チームに分かれ、頭にも同色の鉢巻を巻いた。先攻、後攻に分かれ2チームずつ交互に投球した。はじめは慣れないせいか、力みすぎてジェットローラ‐が横に逸れたり、途中で止まったりした。
「こっち、こっち」、「もっと力をいれて」。ハルモニたちの元気な声援が飛び交うなか、相手チームのジェットローラーをポイントゾーンから外に押し出すと、大喜びしていた。
ポイントゾーンすれすれでジェットローラ‐が止まると、いても立ってもいられなくなったハルモニが駆け寄り、手のひらで風を送る場面も見られた。
1位「緑」、2位「ピンク」、3位「青」チーム。金色、銀色、銅色の紙で包装したスタッフお手製のメダルキャンディーが一人ひとりのハルモニの首にかけられた。84歳の張ハルモニは「全然、難しくなかったよ。見てても面白いし、やっても面白かった」と満面に笑顔を見せた。
85歳の孫正順ハルモニと、84歳の金模方ハルモニは、「難しかったけど、皆でやるから楽しい」「バランスは難しいけど、またやってみたい」と感想を話してくれた。
(2010.2.24 民団新聞)