掲載日 : [2010-03-10] 照会数 : 4866
<第91周年3・1節>李明博大統領記念辞(要旨)
[ 3・1記念節で万歳三唱する李大統領夫妻ら ]
国家100年の大計立てよう
国民統合で世界平和に貢献を
尊敬する国民の皆さん、愛する北側同胞、海外同胞の皆さん、そして独立有功者の皆さん。
私たちは第91周年3・1節を記念するため忠節の故郷、天安に集まりました。柳寛順烈士が大韓独立のたいまつを高く掲げたところです。日帝の銃刀の前に素手で闘い、堂々と太極旗を振りながら「大韓独立万歳!」を叫びました。
今年は韓日強制併合100年、安重根義士殉国100周年、そして光復軍創設70周年でもあります。本日、私たちは国家百年の大計を立てる決意を固めようと思います。
遠大な夢描き
91年前、わが民族は日帝の残酷な強圧に屈せず、朝鮮の自主独立と〈東洋の永久平和〉〈世界平和と人類の幸福〉の大義を宣布しました。独立を飛び越え、アジアと世界を結ぶ遠大な夢を世界万邦に宣布したのです。
光復と建国、そして分断と続く苦難と栄光の歴史の中で、わが民族は世界で最も早く、成功的に産業化と民主化の夢を実現しました。このすべてを血と汗で成し遂げたわが先烈、アボジ、オモニに感謝と尊敬の念を捧げます。先烈の献身と犠牲があったからこそ、この国があり、今日の私たちがあるのです。
私たちは今、選択の岐路に立たされています。21世紀の巨大な変化の渦が押し寄せているのです。グローバル金融危機を体験しながら、世界の秩序は根本的に変化しつつあります。私たちはこの危機を活用して国運上昇の機会にしなければなりません。
危機こそチャンスなのです。しかし、それを活かすことができなければ、さらに大きな危機をもたらします。困難な時ほど、未来を創造するために敢然と進まなければなりません。
顧みれば、3・1運動はあらゆる人々の自由と平等を宣言しました。これが大韓民国自由民主主義の始まりでした。わが民族は小さな違いを乗り越え、大きな価値の中で和合する共和の精神を実践しました。
対立や葛藤で国民が分裂していては、先進化の道を進むことはできません。私たちは数多くの対立と分裂をむしろ肯定的なエネルギーに昇華させ、国民統合と発展の原動力にして来ました。
100年前、わが民族は世界平和の大きい夢を抱きました。私たちはたとえ帝国主義の犠牲になったとはいえ、人類の自由と平等を蹂躙した帝国主義の前轍を踏まずに、自力で成し遂げた唯一の国です。
国を奪われ、銃刀によって命を失ったものの、わが民族は人を排撃したり、恨んだりは決してしなかったのです。「日本の無信」をとがめず、「日本の少義」を責めなかったのでした。ただ、日本をして「不自然で不合理な錯誤状態を改善匡正して、自然で合理的な正経大原に戻」そうとしたのでした。
寛容な精神で
日本の過ちを追及せずに、ひたすら日本の非正常を正しい道に導こうとしたのです。まことに偉大な寛容と包容の精神であり、人類の未来を開くビジョンといえます。高い理想を持って自らをたかめ、同時に他人の自由と発展を手助けするという3・1運動の精神は、わが祖先の先見の明であり、平和と繁栄のための人類共存の模範です。
韓国の若者たちは今回のバンクーバー冬季五輪で韓国の歴史を書き改めました。世界の頂上をめざし、堂々と挑戦しました。世界とともに競いあおうとする青年らしい覇気と活気に満ちた気概があるだけです。
彼らは新たな韓国人です。未来韓国の希望であり、未来人類の新しい主人公であることを確信します。韓国はこの若者たちのように過去にとらわれることなく、世界の志を抱き、人類共栄の新しい未来を開拓して進まなければなりません。
過去100年、力が支配する「威力の時代」が去り、3・1運動の先烈たちが念願した「道義の時代」に向けて先頭に立たねばなりません。過去100年を鏡とし、国家百年の大計を立てましょう。多様な考えを尊重しながら、大きな調和をなす。これこそ3・1運動の大乗的和合精神を継承する道です。先烈たちが念願した世界平和と繁栄を主導する先進一流国家をめざし、力強く進みましょう。
(2010.3.10 民団新聞)