掲載日 : [2010-03-10] 照会数 : 4995
「3・1式典」李大統領記念演説 北側は考え改めよ
真の和解・協力推進へ
【ソウル】李明博大統領は1日、忠清南道・天安の独立記念館で開かれた第91周年3・1節記念式典に参加、3・1独立運動で読み上げられた独立宣言書を引用し、「実に大きな、寛容と包容の精神と同時に人類の未来を示した」と述べ、この精神を継承し、「過去にとらわれず、人類共栄の新たな未来を開拓していかなければならない」と強調した。
李大統領は、「100年前、われわれは民族の力を結集できず、亡国の悲運に遭った」と指摘。南北関係について「今や分断を克服し、統一の道を開かなければならない。私たちはこの2年間、一貫した原則と誠実さを持って南北関係の新たなパラダイムを開こうと努力してきた。われわれは世界のどの国よりも北韓住民の生活の質の向上に関心と愛情をもっている」とあらためて表明した。
その上で、「南北関係の実質的進展を成し遂げるには、北韓が韓国を単なる経済協力の対象とする考えを改めなければならない」と指摘。「真の和解と協力のためには、まず韓半島の平和が維持されなければならず、当事者である南北間の諸懸案を真摯(しんし)な対話で解決しなければならない」と強調し、北韓に対して「私たちが提案したグランドバーゲン(包括的交渉)もともに真摯に話し合わなければならない。行動で国際社会に誠実性を示さなければならない」と呼びかけた。
国内問題について李大統領は、「(和合と団結の)3・1精神は国民の民生向上に向け、消耗的な理念論争を止揚し、互いを認め尊重し生産的な実践方法を見つける中道実用主義の精神でもある。古い理念の枠に閉ざされては一歩も前に進むことはできない。対立と葛藤で国民が分裂されては先進化の道を歩むことはできない」と強調、「国民統合」により「先進一流国家」を目指すことを訴えた。
李大統領は、日本に対しては直接言及することなく「寛容と包容」の精神で、未来志向の韓日関係を築くべきだとの考えを示唆するにとどまった。これと関連して青瓦台の金恩慧報道官は定例会見で、「李大統領は就任後、未来志向的韓日関係の考えをなんども明らかにした。真の過去事解決と両国の未来に向けてどうすべきかは、すでに日本はよく理解しているだろう」と語った。
(2010.3.10 民団新聞)