掲載日 : [2010-03-31] 照会数 : 5851
<女性コラム>友と旅して韓日友情
ふと気付いた。近年、新婚旅行以来、海外へ出かけていない。
日本に暮らすが、韓国籍で母国修学を経験した私たち夫婦にとって韓国は海外に含まれない。韓国では友人を訪ね、親族を訪ね、登山並みのお墓参りへと続く。常に数カ月ぶりなので、人に会うのに忙しく、日本に暮らす家族から頼まれた買い物のため、市場やデパートを回り、全日程をぎりぎりでこなしていく。
ところが、2006年頃から変化が現れた。近頃は夫婦ともに友人の韓国旅行の案内役として訪韓することが増えている。
夫は安くて美味しい韓国料理と観光地巡り中心のプランだが、学生時代からの馴染みの屋台と韓国伝統サウナを深夜コースに入れ、連日3、4時間睡眠のハードスケジュール。それでも友人たちには毎回人気が高い。
私の方も美味しい韓国料理と文化遺産巡りを基本に、美術館や市場見物、明洞や仁寺洞でのショッピング、そして伝統料理研究家や伝統工芸作家を訪ねる。
人気の低いものは無いに等しいが、特に陶芸への関心が高く、電車やバスを乗り継ぎ窯元を訪ねる。時間を惜しみ、向かうバスの中で韓国のり巻きを食べながら旅を楽しむ友人たちの姿に案内役の私もまた、大いに愉快で幸せを感じている。
結果、少々韓国の友人や親戚、お墓参りの機会が減ってはいるが、友も、親戚もご先祖様も韓日の友情を繋ぐ私たち夫婦の今ある姿を温かく見守ってくれていることを信じて疑わない。
李睦美(駐日韓国大使館韓国文化院職員)
(2010.3.31 民団新聞)