掲載日 : [2010-04-14] 照会数 : 7322
全国団長会議での鄭進団長挨拶(要旨)
21世紀型民団めざす
私が特に強調したいのは、今日こそが今年度事業の実質的な出発点であると同時に、来年10月の創団65周年に向けて、民団というブランドを一段と高める始発点ということだ。
民団は4年前、5・17事態による混乱のなかで、創団60周年の記念事業を流産させてしまった。その口惜しさをバネに私は、4年前の就任当初から65周年記念事業は必ず成功させたい、と考えてきた。その鍵は私たちが目的・目標を共有し、結束することにある。
私たちはこの間、混乱事態の後遺症を克服し、次から次に生まれる障害にもめげず、生活者団体としての面目を新たにする多くの実績を重ねてきた。今後とも、内部の葛藤に力量を削ぐことなく、与えられた使命に果敢に取り組みたい。
民団は今年、18の本部で役員改選があり、新人の団長が11人も誕生した。経済状況や民団財政が厳しい中、勇退された団長のこの間の労苦はもちろん、もう1期継続される団長、そして初めて団長となった皆さんの、民団を継承していく力強さに敬意を表したい。
また、民団を支える大きな柱である婦人会は、組織を良くまとめ、昨年は結成60周年と大研修会30周年を迎えた。先月には中央委員会を終え、新たな歴史づくりに踏み出している。
新執行部を構成した青年会も、民団の次世代の核として、各地青年会の再建や活性化に取り組む。学生会も新会長が就任し、同胞学生のネットワーク強化を進める。軍人会は、韓国戦争勃発60年の今年、仁川上陸・参戦60周年の記念事業に力を注ぐ。世総問題を抱える韓商連も、民団との連携のもとに、事態打開に向け、鋭意努力中だ。
民団を中心に、全組織が未来を見据えて一致結束し、心を新たに前進する環境は整っている。21世紀型の民団づくりに邁進しよう。
今から1年半先の創団65周年を視野に、その歴史的な節目をいっそう輝かせるために、まずは今年1年の課題、なかでも地方参政権の獲得に総力をぶつけ、財政基盤の確立に心血を注ぐ決意だ。
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創団65周年事業 成功に向け結束を
鄭進団長はこのあいさつで、1年半後に予定されている創団65周年事業の成功へ強い意欲を表明した。4年前の60周年事業は5・17事態によって、流産の憂き目にあっている。
団長はその口惜しさをにじませながら、65周年事業成功の鍵として、推進力量を散逸させる非生産的な内部問題をなくすこと、目的・目標を共有することで固く結束すべきことを強調した。
民団本体の対立や混乱が同胞社会に直接の悪影響を及ぼすのはもちろん、主要傘下団体内部のアツレキも民団の手足を縛り、事業遂行に大きな影響をもたらす。鄭団長の改めて結束を求める発言は、在任約4年間でこのことを痛感してきたゆえの重みがある。
06年9月に出帆した鄭進執行部は、対外的な信頼の失墜や組織内部の葛藤など、5・17事態の内外における後遺症克服に心血を注ぐ一方、この過程で派生した政府補助金問題でも軟着陸を果たした。また、傘下団体における問題解決にも誠意を持って臨んできた。
さる1月の中央執行委員会では鄭団長から、婦人会がNPO問題に絡んだ金定子元会長に対する停権処分を撤回したことが報告された。婦人会は会員間の連帯がかつてなく強化されるなか、本来の事業に前向きに取り組む体制を整えた。世総問題を抱える韓商連もまた、民団とともに事態の拡大を防ぎながら、縮小化を図りつつ事態解決に向けて鋭意努力している。
創団65周年までに残された時間は少ない。21世紀にも輝く民団像の定立と、それを裏付ける組織力量の強化は至上の課題だ。
そのためには、生活者団体としての主要事業での成果は言うまでもなく、地方参政権の獲得、さらには財政基盤の確立が重要な支柱になる。
どれ一つとっても容易に解決できる問題ではない。鄭団長の呼びかけを深く受けとめ、民団を中心に全組織が未来を見据えて結束し、組織人・経済人・知識人が手を携え、最善を尽くす環境を整えたい。
(2010.4.14 民団新聞)