掲載日 : [2010-04-28] 照会数 : 5197
<4・19 50周年>李明博大統領の記念辞 要旨
まず、祖国の海を守り殉職した天安艦将兵の英霊を前に深く頭を下げながら、愛するわが子を失った遺族の皆様に心より慰労を申し上げます。
民主化へ巨歩
尊敬する国民のみなさん。4・19革命の有功者と負傷者、そして遺族とこの場に同席された来賓の皆さん。
私たちは今日、50年前に祖国と民族の自由の鐘を打ち鳴らし、自由と民主、正義の松明を高く掲げた4・19革命を記念するため、ここに集まりました。4・19民主英霊が眠るこの丘で、今では白髪となった主役たちにお会いして、その日祖国の大地を揺さぶった力強い喊声が今も聞こえるようです。
祖国の未来を案じ、不正と不義に立ち向かい、花のように散った民主英霊たちの魂を称え、強い自負心で苦難の歳月を生き抜いてきた負傷者と遺族の皆様に深甚なる尊敬の意を表します。また、この場で今、勲褒賞を受けられた皆さんにお祝いの言葉を申し上げます。
私たちのこの60年は共産主義と貧困との厳しい闘いであり、民主主義への険しい試練の道でした。解放後、私たちは自由民主主義と市場経済という時代の大きな価値の上に新しい政府を樹立しました。
しかし、戦後独立した世界の全ての国々と同じように、絶対貧困と政治的無秩序は新生民主主義の幼い芽が育つには、あまりにもやせた土地でした。特に、韓半島は南北に分断され、残酷な同族相残を経験し、世界冷戦の最前線になって国家安保の重荷を背負いました。
民主主義の歴史は自由のための闘争史とも言えます。4・19は多くの試練にもかかわらず、自由大韓民国が守らなければならない崇高な価値を回復しようとした、民主主義に向かう大きな一歩でした。
時代の代弁者
4・19の偉大な民族的覚醒と純潔な精神を滋養分として、韓国民主主義は大地にかたく根付きました。その精神は憲法前文に明記され、大韓民国の誇らしい歴史において、民主理念の涸れることのない泉になりました。
4・19革命は純粋だったがゆえにより一層偉大でした。「義の力で歴史の車輪を正しく立て直した」後、学生と市民は何の代価も求めず、自らの場に戻りました。4・19革命は国民の声に耳を傾け、歴史の流れに応えた時代の代弁者でした。
しかし今日、私たちの政治は狭い抽象的な理念にとらわれて、庶民の切迫した生活と国家の難しい現実にそっぽを向いているのではないのか、と繰り返し考えさせます。分裂を助長する地域主義と人気に迎合したポピュリズムの政治に陥っていないか、もう一度見直す必要があります。
つらくて大変でも、正しい道を行くことだけが国民が付与した責任を全うする道です。反対のための反対をやめ、和合と統合を指向する中道実用の政治が中心にならなければなりません。
国民の幸福、国益のために対話し、妥協して、小さい差を超えて大乗的和合を成すことが政治先進化に向かう成熟した民主主義の道です。不正腐敗の一掃は4・19が私たちの時代に要求するもう一つの課題です。
私たちの社会にはまだ旧来の権力不正・土着不正・教育不正が根強く残っています。政府は先進一流国家をつくるために、腐ったところは果敢に抉り取る根本的な制度改善に拍車を加えます。社会的信頼を成熟させ、「より大きな大韓民国」に跳躍する道を開きます。
4・19は偉大な民主革命であり、絶対貧困を克服して古い社会構造を打破し、近代国家を建設して祖国を再建するための燃え盛る熱望でした。私たちはこの60年間、不屈の闘志と熱い情熱で民族史の将来を切り開いてきました。この地球上で最も貧しい国から、世界10位圏の経済大国にそびえ立ち、国際社会で私たちの国の品格もさらに一層高まりました。
新しい奇跡へ
尊敬する国民のみなさん。そして4・19世代のみなさん。
脱冷戦と金融危機を経ながら、世界秩序は今や安保と経済の2つの側面で全て大変革期に入っています。まさに、このような時期に私たちの前には産業化と民主化を超えて先進化というもう一つの厳粛な歴史的課題があります。
人類の歴史が見せたように、危機を克服して新しい道を切り開く国家が未来世界の中心になるでしょう。4・19革命のその純粋な情熱と熱い正義感を持って、先進一流国家に向かって民族史の新しい進路を開拓するならば、私たちには越えることのできないいかなる困難もありません。
今、私たちの大韓民国は絶対的な機会の前に立っています。今年11月には、世界経済の最上位会議であるG20首脳会議がソウルで開かれ、2012年には世界安保の最上位会議である核安保首脳会議が50カ国の首脳らを迎え、大韓民国で開催される予定です。
この絶好の機会にあって、もう一度全ての同胞が一つの心、一つの志となって国運隆盛に力強く立ち上がるときです。私と政府は、国民と心を一つにし、大韓民国先進化の新しい奇跡を成就するために献身します。
国のために献身した貴重な犠牲があったからこそ、今日の大韓民国があります。その高貴な精神は未来世代の永遠の手本になるでしょう。今日4・19革命50周年を迎えて、国家と民族のために献身した愛国者と、この60年間の誇らしい大韓民国の歴史をつくってきた私たちのすべてのお父さんとお母さんらに深い尊敬の心を捧げます。
(2010.4.28 民団新聞)