掲載日 : [2010-04-28] 照会数 : 9352
<天安艦沈没事件>衝撃から1カ月余
[ ソウル広場に設けられた天安艦46勇士合同焼香所を弔問する市民 ]
深い悲しみ国民包む
作戦行動中の3月26日に西海北方限界線(NLL)近くで突然真っ二つになり沈没した海軍哨戒艦「天安」の殉国将兵46人の葬儀が、京畿道平沢市の海軍第2艦隊司令部内の代表焼香所をはじめ、全国各地の合同焼香所で25日に始まった。葬儀は海軍葬で5日間行われ、告別式は29日に海軍第2艦隊内の安保公園で執り行われる。事件発生以来、国民は深い悲しみに包まれ、政府は葬儀期間を「国家哀悼期間」とし、29日を「国家哀悼の日」に指定した。民団中央本部は、23日に韓国中央会館の1階に追悼所を設置するとともに追悼式をもち犠牲者の冥福を祈った。
殉国者を永遠に忘れない
告別式の29日 「国家哀悼の日」に指定
【ソウル】鄭雲燦国務総理は23日、「天安」沈没事件に関する国民向け談話を発表した。事件で犠牲となった兵士らの葬儀期間を「国家哀悼期間」に、告別式を行う29日を「国家哀悼の日」に定めると明らかにした。
船体引き揚げ作業に加わり帰港中に沈没した底引き網漁船「クムヤン98号」についても、「乗組員の犠牲を決しておろそかにしない」と述べた。
鄭総理は、「政府は事件原因を客観的かつ科学的に、徹底して明らかにする。調査結果により決然とした姿勢で厳重な措置を取る方針だ」と強調した。また「国家安全態勢を全般的に再検討し、軍にも責任を問うべきことがあれば、厳正に問う。兵士の安全により細心の注意をはらい、士気高揚に向けた総合対策も早期に策定する」と約束した。
最後に鄭総理は、「政府はこの時代、この地の英雄らが身を持って示した崇高な愛国精神を決して無駄にしない。国民の心のなかに永遠に生き続けるよう、大韓民国の名の下にあなた方を記憶する」と表明した。
政府は「国家哀悼期間」に、すべての公務員が簡素な服装に謹弔のリボンをつけることにした。29日には、全国の官公庁と公共機関で弔旗を掲揚し、午前10時にサイレンを鳴らし1分間の黙とうをささげる。追悼期間中は、中央行政機関と地方自治体で予定されているすべての祝祭とスポーツ行事、各種行事の自制を呼びかけ、やむをえない場合も簡素に行う。
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原因究明後 断固対処
李大統領 国家安保体制見直しへ
李明博大統領は26日、ソウル広場に設けられた天安艦46勇士合同焼香所を訪ね、将兵の遺影前に献花、焼香し深い哀悼の意を表した。大統領は「大韓民国はあなたたちの尊い犠牲を決して忘れないだろう」と記帳した。
李大統領は、19日に地上波テレビ3社やニュース専門ケーブルテレビなどを通じ、生中継された「天安艦殉国将兵の追悼のためのラジオ・インターネット演説」で、46人の名前を1人ずつ読み上げ、「大統領として、天安艦の沈没原因を最後まで究明し、その結果については、断固とした姿勢で対処する。二度とこのような事が起きないようにする」と力説した。さらに、国家安保体制の見直しを明らかにした。
21日には、青瓦台での第7回地域発展委員会で「(南北に)分断されてから60年になり、軍も少しマンネリズムに陥っているのではないかと思う」と表明。「国民も、わずか40マイル(約64㌔)しか離れていないところに、長距離砲で武装している北韓があるということを忘れ生活している。これを機に、安保に対する認識を変え、すぐ近くに北韓という世界で最も好戦的な勢力があることを改めて悟る機会になれば、犠牲になった方々に報いることにもなるだろう」と強調した。
(2010.4.28 民団新聞)