掲載日 : [2010-05-19] 照会数 : 5506
<布帳馬車>海外同胞連帯へ民団理念は不動
民団が世界各地の同胞団体に呼びかけ、1987年に立ち上げた「海外韓民族代表者協議会」の第8次総会がワシントンDCで開かれた。
設立時に500万だった在外同胞数は700万に、31カ国に存在したに過ぎない韓人会組織は91カ国に拡大した。代表者協議会の歴史や存在意義を知らない参加者も多いはず。
世界各地から370余人もの同胞が自主的かつ対等な資格で集まっただけに、運営がスムーズに行くか懸念がなかったわけではない。
だが、総会全体は終始和やかな連帯感が支配した。成田から約14時間の民団代表団もものかわ、フィジーから延べ3日、あるいは米国の遠隔地からバスで18時間かけて、といった参加者が少なくない。
新旧の出会いの場でもあり、数年ぶりの旧交を温め合う姿があるかと思えば、机を並べた中学時代以降、音信のないまま在米、在中となった同級生が40数年ぶりに感激の再会を果たす光景もあった。
居住国が違えば気風も違ってくる。しかし、海外で活動する同胞同士の琴線が触れ合うのだろう。各地韓人会の現況報告や自己紹介の場面では、感嘆の声とともに激励が相次いだ。
当時の中央団長として同協議会の設立を主導した朴炳憲名誉会長が「日本で生活して72年。韓国人の誇りを失ったことはない」と述べると歓声とともに万雷の拍手が湧いた。
総会の締めくくりでは、設立以来24年にわたる民団の労苦に対する感謝の力強い拍手に続き、参加者全員が手をつないで再会を約束し合った。
やはり、原点は忘れられてはいなかったのだ。民間主導の在外同胞ネットワークは、その形式こそ変わろうと内なる理念は不動と思えた。(P)
(2010.5.19 民団新聞)