掲載日 : [2003-05-14] 照会数 : 3437
在日科技協が『活動史』発刊へ(03.5.14)
今秋創立20周年迎える在日科協
本国・在日への貢献
広く認知させたい
在日同胞の科学技術者の専門家集団として結成された在日科学技術者協会(在日科協、洪政國会長)が今秋、結成から20周年を迎える。記念式典と同時に、在日同胞の長い歴史の中で活躍した同胞科学技術者の足跡をたどる「活動史」の発刊を目指し、科学技術の発展に尽くした同胞を顕彰するという。
10日に東京・浜松町のKOSEA会館で開かれた理事会・評議員会(総会)では、洪会長を再選すると同時に、会の創立20周年に向けた活動に全力を挙げて取り組むことが確認された。
20周年の式典は、今年10月に都内で開き、記念公演、祝賀会などとともに、科協の独自性を示す研究報告会、産業展示会も計画に盛り込まれた。
中でも、『在日同胞科学技術者活動史』の発刊に力を入れたいと洪会長はいう。解放前から今日まで、在日同胞の科学技術分野で活躍した同胞は少なからず存在するものの、韓国の農業に貢献した禹長春博士のように広く知られている同胞は多くはない。『活動史』は、日本で活動した同胞科学技術者にスポットを当て、同胞社会をはじめ日本社会にも広く知らせ、研究の成果を顕彰しようというもの。
すでに各分野で活躍してきた同胞科学技術者のリスト作成も順調にすすんでいると言う。しかし故人も多く、研究・活動を正確に調べるためにも十分な時間が必要とされており、20周年の式典以降にも発刊にこぎ着けたい意向だ。
科協は、同分野の在日同胞を糾合し、連携を強化すると同時に本国野科学技術および産業経済発展を目的に1983年10月22日に設立された。翌84年12月には社団法人・韓国科学技術団体総連合会(科総)の特別会員として認定され、各国の在外同胞科学技術団体とも連携を深めた。
科総が中心となって昨年7月に開催された「世界韓民族科学技術者綜合学術大会」では、在日科協のみが発刊している「日本の科学技術動向」が高く評価されるなど在外科協の中でも重責を果たしている。
また、94年には民団の傘下団体として承認され、密接な連携関係を保ちながら活動を強化してきた。民団をはじめ在日同胞社会の将来を考える民団の「21世紀委員会」ではIT分野で協力態勢をとり、民団中央本部のIT化に大きく貢献した。
この他、韓国での学術大会参加を契機に、3世以降の若手科学技術者が台頭しつつある状況をふまえ、人材育成にも力を入れていくことも確認された。
(2003.5.14 民団新聞)