掲載日 : [2003-05-14] 照会数 : 6681
在日同胞母国修学生 累計4000人を突破(03.5.14)
[ 国際教育振興院での今年度長期・短期教育課程入学式 ]
〞民族教育〟に高い評価
今年は99人入学…再度増加の傾向
在日同胞が韓国の大学で学ぶ制度の一つとして人気が高い母国就学制度を利用して、本国の大学などで学ぶ同胞数が今年度の修学生で4000人を突破した。今年度は大学進学および語学修学をあわせて99人が母国修学の入り口である国際教育振興院に入学した。
2世の親が子弟の3世に思い託す例も
今年度の国際教育振興院の入学式には在日同胞をはじめ世界15カ国の在外同胞350人が参加、本国教育関係者の激励を受けた。
修学生は1年弱、同振興院で実践的な韓国語教育を受ける。その後、各大学の入学試験を受けることになる。
同制度は、在日同胞子弟が民族的な矜持を持てることができるように母国の大学で学べる道を開いてほしいとする民団の要望を受けて、1962年の大統領令によって実現した。当時は「母国留学制度」と呼ばれ、62年に11人の第1期生がソウル大学語学研修院に入学したのが最初となる。67年頃からは50人を超える同胞が留学するようになり、68年には大学入学前に語学力を高めるための1年間の予備課程がもうけられた。その後、81年には語学教育だけの志願者を受け入れる短期教育課程も導入され、選択肢が広がった。
修学生数は、68年には68人、70年には124人と急増し、80年までは年間約100人レベルが続いた。また、88年のソウルオリンピック前後の韓国人気を反映して88年にはピークの152人まで増えた。その後、在日同胞も少子化などの影響によって減少しつつあったが、民族教育を受けられなかった2世の親たちが子弟の3世に思いを託す例が増え、再度増加の傾向を示しつつある。
これまで母国修学を終えた同胞の大半は、修学制度について、韓国人としてのアイデンティティを持つことができたなどと評価は高い。また韓国語をマスターすることで、韓国との交流が加速度的に深まる日本企業への進路開拓の面からも注目が集まっている。
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母国修学制度
民団の要請で62年スタート
民団が在日同胞社会の後継者育成のために本国政府に要請し、1962年からスタートした。母国の大学や大学院が、母国での学生生活を望む在日同胞学生を定員外入学として受け入れている制度。ウリマルや文化、歴史などを学ぶのはもちろんのこと、韓国人としての自覚や自信をはぐくみ帰国する同胞学生は多い。帰日後、在日同胞社会の各分野で活躍している。
(2003.5.14 民団新聞)