掲載日 : [2010-05-26] 照会数 : 7964
天安艦国民談話 武力侵犯時即刻自衛権発動
交易・交流を中断
李大統領 北韓に謝罪・処罰要求
【ソウル】李明博大統領は24日、ソウル・龍山の戦争記念館護国追慕室で、北韓による海軍哨戒艦「天安」撃沈に関する国民向け談話を発表、「今後、北韓がわれわれの領海、領空、領土を武力侵犯すれば、即刻自衛権を発動する」と強く警告。北韓に対して「韓国と国際社会に謝罪し、今回の事件関連者を即座に処罰しなければならない。これは北韓が優先的に取るべき基本的責務だ」と要求した。柳明桓外交通商部長官、玄仁沢統一部長官、金泰栄国防部長官は同日、合同記者会見を開き、撃沈事件への具体的な対応策を発表した。
李大統領は「韓半島情勢が重大な転換点を迎えている」とし、「北韓は自らの行為に相応する対価を支払うことになる。北韓の責任を問うために断固とした措置を講じる。今この瞬間から、北韓船舶は南北海運合意書により許容されたわが海域のいかなる海上交通路も利用できない」と宣言した。
さらに、「天安艦沈没は韓国を攻撃した北韓の軍事挑発だ。天安艦を沈没させ尊い若者の命を奪った状況で、これ以上の交流・協力は無意味だ」と述べ、南北間の交易と交流も中断されると明らかにした。だが、「乳幼児への支援は維持する」とし、「開城工業団地問題はその特殊性も考慮し検討していく」と述べた。
李大統領は「北韓は天安艦事態で国連憲章に違反し、休戦協定、南北基本合意書など、韓半島の平和と安定のための既存の合意を破った」と指摘。「政府は関連国と緊密な協議を経て、この問題を国連安全保障理事会に提起し、国際社会とともに北韓の責任を問う」と言明した。
同時に「われわれの究極の目標は軍事的な対決ではない。韓半島の安定と平和だ。韓民族の共同繁栄であり、ひいては平和統一だ」と改めて強調した。その上で、「北韓政権も今や変わらなければならない。何が本当に住民のためなのか、現実を直視し勇気ある決断を下すときだ」と促し、「韓半島をこれ以上、東北アジアの危険地帯のままにしてはならない。南北がこの問題を主導的に解決しなければならない」と呼びかけた。
一方で、李大統領は「わが軍にも過ちがあったことを認めざるを得ない。政府は今回の事態を契機に安保態勢を堅固に構築する」と表明。「北韓のいかなる脅しと挑発、そして絶え間ない分裂画策にも、私たちは決して揺さぶられてはならない。国家安保の前に、一つとならなければならない」と、より一層の団結を国民に求めた。
(2010.5.26 民団新聞)