掲載日 : [2010-06-09] 照会数 : 10189
<天安艦撃沈>「愚行いつまで」 参加者の声
[ 平和行進を前に集会でシュプレヒコールを叫ぶ参加者 ]
怒りの挙も震え
頭上高く上げた握り拳がわずかに震え、北韓の軍事挑発へのいいしれぬ怒りを表していた。その怒りは北の犯罪行為にだけではない。北韓の言い分をオウム返しに繰り返す総連当局にも向けられていた。この日、5日昼過ぎの最高気温は24・9度。韓半島の平和を願う行進隊は、したたる汗をぬぐいながら、最後までシュプレヒコールを叫び続けた。
黙ってられない
群馬から参加した申英子さん(75)は高齢で、長くは歩けない。それでも「いても立ってもいられず来た」。「日本の方は事件がなにを意味するのか、分かっていないと思う。デモを見て少しでも分かってもらえれば」と語った。神奈川の朴恵里さん(29)も「(軍事挑発が続けば)日本にも影響が出てくる。民団は韓半島の平和を望む声を全国に届けてほしい」と同調した。
悲しみも新たに
民団東京本部の金龍濤団長は、「この悲痛さはとても言葉で表現できない。46人が犠牲になったったと知ったときは涙が出てしかたなかった」と表情を曇らせた。同じく東京から参加した尹且順さん(66)は、「一部で北韓はやっていないという人もいるが、私は信用していない。しり切れトンボに終わらせないよう民団は引き続きアピールしていくことが大事」と強調した。
白海秦さん(53、民団神奈川湘西支部支団長)は、怒りもあらわに「北韓の指導者はもうこれ以上、世界中に恥をさらすなと言いたい。われわれの糾弾の声が北韓にまで届くことを願う」と声を荒げた。
総連への憤りも
一方、景民杓さん(民団埼玉本部団長)の怒りは北韓ばかりか総連にも向けられた。「総連の上層部は平和な日本に住みながら抗議の声どころか、テロ行為を是認している。これまで一貫して北の言いなりになってきたからだ」と吐き捨てるかのよう。金義紘さん(民団山梨本部事務局長)も、総連には世の中の一般常識は通じないのか」とあきれかえった表情だった。
沿道からも激励の声
沿道からは民団のデモ行進に熱い視線が送られた。3人の女性のうち、一人が熱心にカメラを向けてきた。聞くと「ブラジル人」だという。「非人道的な事件だっただけにこういう抗議デモは賛成。当然だ」ときれいな日本語で答えた。シュプレヒコールの声が起こるとまた、カメラをデモ隊に向けた。
ベルギーとフランスの国籍を併せ持つイザベル・コペルツさん(50代)からは、「日本人は政治に関心がないようだ。この事件は多くの人に知らせないといけない。このデモ行進には賛成だ。頑張って下さい」と力強いエールが返ってきた。
沿道でデモ行進をじっと見ていた40代の日本人男性は「朝鮮半島でもし軍事衝突が起きたらと思うと、不安にかられる。北朝鮮がラングーンで引き起こした爆弾テロ事件のこともある。今回の事件もうやむやにしないためにはどうしたらいいのかと考える。こうした不法な行為に対しては一国と一国ではなく、世界の世論で北を押し切れないものだろうか」と語っていた。
(2010.6.9 民団新聞)